横浜キネマ倶楽部 第89回上映会『日本フィルハーモニー物語 炎の第五楽章』(7/12)

横浜キネマ倶楽部より、第89回上映会のお知らせをいただきました。

<<<第89回上映会のお知らせ>>>
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日本フィルハーモニー交響楽団 創立70周年記念上映会

◆上映作品『日本フィルハーモニー物語 炎の第五楽章』
1981年/日本/115分/ブルーレイ上映
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【出演】
 風間杜夫、田中裕子、渡辺暁雄、内藤武敏、浜田光夫、長塚京三、鈴木ヒロミツ、三谷昇、伊藤孝雄、小池朝雄、
 ジェリー藤尾、殿山泰司、前田吟、三遊亭円楽、井川比佐志、志村喬
【スタッフ】
 監督・脚本:神山征二郎、原作・脚本:今崎暁巳、音楽:林光、撮影:森勝

【解説】
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 「日本フィルハーモニー交響楽団は1956年に創立、わが国のオーケストラの多くがそれまでドイツ系音楽を主に演奏してきた中で、
 日本人作曲家の作品を積極的に取り上げるなど、その演奏活動は当初より音楽愛好家の注目を集めわが国の代表的なオーケストラのひとつであった。

◆日時:2026年7月12日(日)
上映時間:13時00分~14時55分(12時30分開場) 
講演者:神山征二郎監督(本作品の監督)
講演時間:15時05分~16時05分

◆場所:都筑公会堂https://tsuzuki-kokaido.jp/

入場料:当日券:1,300円(前売券1,000円)

入場券・チケット販売方法
 (1)入場券販売場所
  有隣堂伊勢佐木町本店、高橋書店(元町)、いづみ書房、ジャック&ベティ(黄金町)、横浜シネマリン(長者町)、岩間市民プラザ(天王町)
 (2)チケットぴあ Pコード:556-187)(購入は7月11日まで)→ https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=556-187

問い合わせ:080-2554-8023(10~18時)おかだ

主催:横浜キネマ倶楽部 → https://ykc.jimdofree.com/
後援:横浜市教育委員会
担当:横浜キネマ倶楽部 岡田明紀(090-9373-7559 / akino@yk.rim.or.jp)


台湾文化センター 台湾映画上映会2026

2026 年5月~10 月、トーク付き無料上映会が台湾文化センター他、北海道、東京、神奈川、京都、大阪にて全10 回開催!

台湾映画の新たな息吹と、時が紡ぐ新しい出会い─

日本初上映10作品&アンコール上映6作品による連続上映企画

台湾駐日本代表処台湾文化センターが主催する「台湾映画上映会」は、台湾社会や文化への理解を深めるとともに、新たな台湾映画の魅力を発見することを目的とした上映企画。昨年は東京・大阪の開催でしたが、本年度は6大学および2つのミニシアターとの連携を主軸に、北海道、東京、神奈川、京都、大阪の5 都市にて開催されます。

過去を受け継ぎ、新時代を切り開き、多彩に咲き誇る─

ウー・カンレン、ジョセフ・チャン、アリエル・リンら出演の話題作から、初長編監督作品でベルリン国際映画祭・台湾アカデミー賞を席捲した注目作まで。

さらに、ワン・トン監督の台湾郷土文学映画、“台湾映画界のゴッドファーザー”リー・シン監督、バイ・ジンルイ監督ら巨匠のリマスター作品も集結。全10作品を一挙上映!

また新企画として、チャン・チェンやビビアン・スーが出演した注目作や、幻のデジタル・リマスター作品を含む、これまで上映された作品の中から再上映を望む声が多く寄せられた6 作品をアンコール上映。

1970年代の中壢を舞台に、急速に発展する社会のうねりに巻き込まれていく幼なじみの男女と、韓国から来た男の関係を描く『あの写真の私たち』(原題:那張照片裡的我們)は、ドラマ「悪との距離」「茶金 ゴールドリーフ」など数々のヒット作を手がけてきたプロデューサーのフィル・タンと、新鋭監督フランク・チェンによる共同監督作品です。韓国版『あの頃、君を追いかけた』(邦題『あの夏、僕たちが好きだったソナへ』)で主演を務めたジニョンが、本作で台湾映画初出演。

時間も記憶も霧のように消えていく孤島を舞台に、絡み合う男女の心を描いた『うなぎ』(原題:河鰻)は、現代アートシーンで活躍するチュウ・ジュンタン監督の長編デビュー作です。ベルリン国際映画祭「パースペクティヴ」コンペティション部門に台湾映画として初選出され、国際的な注目を集めています。

裏社会で生きる男たちを通して、社会の闇に埋もれた人間の感情と欲望を浮かび上がらせるクィア・ノワール『宵闇の火花』(原題:愛作歹)は、チュウ・ピン監督の長編デビュー作で、ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品されました。ホアン・グァンジー(『娼生』)、シー・ミンシュアイ(『本日公休』)の出演も話題です。

台湾初の総統直接選挙を目前にした時代を背景に、15歳の少年が大人へと成長していく姿を描いた『夜明けの前に』(原題:南方時光)は、ツァオ・シーハン監督の長編デビュー作で、『藍色夏恋』のイー・ツーイェンがプロデューサーを務めました。

ドキュメンタリー映画『甘露水』(原題:甘露水)は、台湾美術史における伝説的存在である彫刻家・黄土水の代表作で、台湾の国宝「甘露水」を追ったドキュメンタリー映画です。美しい16mm 映像で「甘露水」の軌跡をたどりながら、現代に連なる時代の変遷を静かに映し出しています。

ドキュメンタリー映画監督として25 年のキャリアを持つシェン・コシャン監督は、初の長編劇映画『深く静かな場所へ』(原題:深度安靜)と、ドキュメンタリー映画『荒野の夢』(原題:我在荒野做了一場夢)の2作品がラインナップされています。抑圧された日常の中で見過ごされてきた沈黙の暗部へと鋭く迫る『深く静かな場所へ』、そして自身に残されたわずかな時間を悟りアマゾンへと向かう探検家を追った『荒野の夢』という、方向性の異なる2 作品を通して、シェン監督の世界観を堪能することができるでしょう。

台湾ニューシネマが再び注目を集める中、台湾映画の保存・振興機関である国家電影及視聴文化中心(TFAI)によるデジタル・リマスター作品の公開が相次ぎ、日本の映画ファンを魅了しています。今回は3作品のデジタル・リマスター作品をラインナップし、台湾映画の軌跡を紹介します。

「台湾巨匠傑作選2024・2025」にて特集され熱い支持を集めるワン・トン監督による初の台湾郷土題材作品『海をみつめる日 デジタル・リマスター版』(原題:看海的日子(台語版))は、台湾における郷土文学映画化ブームのきっかけとなった作品です。原作者の黄春明は台湾を代表する郷土文学の巨匠であり、本作では自ら脚本も手がけています。

“台湾映画のゴッドファーザー”リー・シン監督による『小さな町の恋 デジタル・リマスター版』(原題:小城故事(數位修復版))、そして近年そのスタイリッシュで現代的な美的センスが再評価されているバイ・ジンルイ監督の『今夜は帰らない デジタル・リマスター版』(原題:今天不回家(數位修復版))は、台湾映画が培ってきた多元的な魅力に触れる貴重な機会となるでしょう。

台湾文化センターの曾鈐龍センター長本と上映会キュレーターのリム・カーワイ監督の「台湾映画上映会2026」開催に寄せるコメント。

■曾鈐龍 (そけんりゅう)/台湾駐日本代表処 台湾文化センター長
 台湾映画はいま、多様な広がりを見せています。
さまざまな背景を持つ作り手たちがとそれぞれの視点で社会や記憶と向き合い、新しい表現を生み出しています。
本年の上映会では、日本初上映作品を中心に、新世代の作品をご紹介します。あわせて、台湾ニューシネマの流れを感じられるデジタル・リマスター作品や、アンコール上映も交えながら、台湾映画の現在とこれまでの歩みをお届けします。
また、北海道から関西まで5都市に広がり、大学やミニシアターと連携しながら、より多くの方に台湾映画をお届けできる機会となりました。
この上映会を通して、台湾映画の魅力に触れていただけたら嬉しいです。

■リム・カーワイ(林家威)/『台湾文化センター 台湾映画上映会2026』キュレーター、映画監督
 台湾映画上映会のキュレーターを担当してから3 年目に入り、台湾映画の著しい変化を肌で体感してきました。題材の多様化や表現の自由の広がりだけでなく、国内興行や国際映画祭での評価においても、以前にも増して成功を収めつつあります。これは台湾政府の助成や民間の映画産業による支援と育成、そして映画文化の浸透の結果だと思います。
今年は10本を選考し、7本はほぼ新人監督による長編デビュー作で、いずれも著名な映画祭で評価された作品です。
残る3 本は台湾ニューシネマ以前の時代を代表する巨匠たちのデジタル修復版です。このプログラムを通じて、台湾映画の「承先啓後、百花齊放」の現在を感じていただければ幸いです。

≪上映作品概要10作品≫

名称:台湾文化センター 台湾映画上映会2026
期間:2026 年5 月~10 月(全10 回)
会場:台湾駐日本代表処 台湾文化センター/北海道大学 学術交流会館小講堂/大阪大学 大阪大学会館講堂/ユーロライブ/京都大学 HORIBA シンポジウムホール/中央大学<多摩キャンパス>3 号館3551 教室/慶應義塾大学 三田・北館ホール/日本映画大学 大教室/シネ・ヌーヴォ
主催:台湾駐日本代表処 台湾文化センター/Cinema Drifters/大福
共催:北海道大学中国文化論研究室・中国現代文学研究者懇話会/大阪大学大学院人文学研究科/ユーロスペース/京都大学大学院人間・環境学研究科東アジア文明講座/中央大学文学部中国言語文化研究室/慶應義塾大学東アジア研究所/日本映画大学国際交流センター/シネ・ヌーヴォ

≪参加無料、事前申し込み制≫
各回の申し込みは、Peatix にて先着順にて受付。
≪Peatix≫ https://taiwanculture.peatix.com/
※Peatix にて、各回 7 日前の昼12:00 より先着順にて受付。

※シネ・ヌーヴォのチケットについては、劇場HPにて取り扱い。Peatix では申込みできません。
※本上映会について会場となっている大学、ユーロライブ、シネ・ヌーヴォへのお問合せはお控えください。
※ゲスト・イベント内容は予告なく変更となる場合がございます。

≪上映スケジュール≫

『海をみつめる日 デジタル・リマスター版』
5月16日(土) 13:30開演/北海道大学 学術交流会館小講堂
1983 年/100 分/台湾
原題:看海的日子(台語版)/英題:A Flower in the Raining Night (Taiwanese-language Version)
監督:ワン・トン(王童)
出演:ルー・シャオフェン(陸小芬)/マー・ルーフォン(馬如風)/スー・ミンミン(蘇明明)/ イン・イン(英英)

©️Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.

◆1983 金馬奨 最優秀主演女優賞/最優秀助演女優賞
◆1983 金馬奨 最優秀作品賞/最優秀脚色賞 ノミネート

白梅は幼い頃に養父に妓楼に売られた。未来への希望を失い日々を過ごす中、かつての妹分が母となり、しあわせに暮らす姿に憧れを抱き、自分も誠実で気立てのよい客を見つけ、子どもを産み母になることを決意する。
『本日公休』でスクリーンにカムバックしたルー・シャオフェンが、金馬奨最優秀主演女優賞を受賞した記念すべき作品。また本作は、台湾における郷土文学の映画化ブームのきっかけともなった。
ワン・トン監督による初の台湾郷土題材作品で、同名小説の作家・黄春明が自ら脚本を担当。
※台湾語版での上映

原作は「黄春明選集 溺死した老猫」(西田勝編訳、法政大学出版局)に「海を訪ねる日」のタイトルで収められており、日本語で読むことができる。原作者の黄春明の作品の映画化では、侯孝賢監督の『坊やの人形』や葉金勝監督の『さよなら、再見』等がある。

『あの写真の私たち』
5月30日(土) 13:00開演/大阪大学<豊中キャンパス>大阪大学会館講堂
2025 年/126 分/台湾 原題:那張照片裡的我們/英題:The Photo from 1977
監督:フィル・タン(湯昇榮)/フランク・チェン (鄭乃方)
出演:ムーン・リー(李沐)/ジニョン(鄭振永)/エディソン・ソン(宋柏緯)

©️2025 GrX Studio Co., Ltd. All Rights Reserved.

◆2025 金馬映画祭 正式出品

1970 年代、中壢。街では選挙の応援の声が響き渡り、社会は激しく動いていた。写真館の娘・賢英のそばには、いつも幼馴染の弘国がいた。しかし彼女の心を惹きつけたのは、救国団の招きで台湾に来た韓国のテコンドーコーチだった。
やがて県長選挙を巡り、激しい抗議活動が起き、彼らもその嵐に巻き込まれていく…。
Netflix シリーズ「模仿犯」や、ドラマ「悪との距離」「茶金 ゴールドリーフ」など、数多くの大ヒット作を手がけてきたプロデューサーのフィル・タンと、新鋭監督フランク・チェンが共同監督した。
韓国版『あの頃、君を追いかけた』(邦題:『あの夏、僕たちが好きだったソナへ』)主演のジニョンが台湾映画初出演した話題作。
物語は「中壢事件」を背景に展開し、「茶金 ゴールドリーフ」制作チームが参加し、精緻でリアルなVFX によって過去の街並みや出来事を再現している。

『うなぎ』(原題:河鰻)
6月7日(日) 17:45開演/ユーロライブ
2024 年/103 分/台湾
原題:河鰻/英題:EEL
監督:チュウ・ジュンタン(朱駿騰)
出演:デヴィン・パン(潘綱大)/クー・ミンシュン(柯泯薰)/パン・チンユー(潘親御)/チェン・ジーシア(陳季霞)

©️Static Film & Visual Art Production Co., Ltd.

◆2025 台北映画賞 最優秀美術設計賞
◆2025 ティラナ国際映画祭 最優秀デビュー長編映画賞
◆2025 コルカタ国際映画祭 Asia Select コンペティション部門
◆2025 ルッカ映画祭 長編公式コンペティション部門
◆2025 ゴールウェイ国際映画祭 インターナショナル・フィルム・コンペティション
◆2025 ベルリン国際映画祭「パースペクティヴ」コンペティション部門
◆2025 香港国際映画祭 コンペティション部門
◆2025 台北映画賞 最優秀主演男優賞/最優秀撮影賞/最優秀音楽賞/最優秀衣装デザイン賞/最優秀音響デザイン賞 ノミネート
◆2025 ケンブリッジ映画祭 Otherwise 部門

台北の街中に浮かぶ孤島。ゴミ焼却場で働く阿亮は、かつて何よりも逃げ出したかったこの島に戻ってくる。ある日、川に漂う謎めいた女性に出会う。つかみどころのない彼女との生活は、彼の心の奥に潜む孤独に火を灯していく。時間も記憶も霧のように消えていく孤島で、二人は少しずつ互いに隠してきた傷や物語を明かしていく─
現代アートシーンで活躍しているチュウ・ジュンタン監督は、長編デビュー作となる本作で、台湾初のベルリン国際映画祭「パースペクティヴ」コンペティション部門に選出された。
シンガーソングライターのクー・ミンシュンの出演も話題。
舞台となった社子島は、台北の基隆河と淡水河が交差する場所に位置する砂州。

『小さな町の恋 デジタル・リマスター版』
7月11日(土) 14:30開演/京都大学<吉田キャンパス本部構内>HORIBA シンポジウムホール
1979 年/95 分/台湾
原題:小城故事(數位修復版)/英題:The Story of a Small Town(Restored)
監督:リー・シン(李行)
出演:ジョアン・リン(林鳳嬌)/ケニー・ビー(鍾鎮濤)/ツイ・フーシェン(崔福生)

©️Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.

◆1979 金馬奨 最優秀作品賞/最優秀主演女優賞/最優秀原作脚本賞/最優秀子役賞
◆1979 金馬奨 助演男優賞/監督賞/撮影賞/美術デザイン賞/映画オリジナル音楽賞/録音賞 ノミネート

仮釈放された文雄は、刑務所で知り合った木彫り職人の元に弟子入りする。実直な性格が認められ、師匠の娘・阿秀とも心を通わせるが、文雄の元恋人が彼を追いかけてきたことで、師匠の怒りを買ってしまう。そして刑務所で一緒だったならず者が押しかけてきて、阿秀に暴行を働こうする!そこに文雄が現れて…
『養鴨人家』(65)をはじめ、金馬奨最優秀監督賞を 3 回受賞している、”台湾映画のゴッドファーザー”リー・シン監督による、ラブストーリー。
リー・シン監督は健康写実映画、恋愛映画、台湾の叙事詩的映画のブームをリードする存在で、台湾映画に深く影響を及ぼし、台湾映画史において重要な存在となっている。
※客家語版での上映

『今夜は帰らない デジタル・リマスター版』
7月18日(土) 14:00開演/中央大学<多摩キャンパス>3 号館 3551 教室
1969年/104 分/台湾
原題:今天不回家(數位修復版)/英題:Accidental Trio (Restored)
監督:バイ・ジンルイ(白景瑞)
出演:ジェン・チェン(甄珍)/レイ・ミン(雷鳴)/ウー・ジアチー(武家麒)/ニウ・ファンユー(鈕方雨)

©️Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.

◆1969 アジア太平洋映画祭 最優秀脚本賞
◆2025 高雄映画祭
◆2025 サンディエゴ・アジアン映画祭

台北のあるアパートの三つの家で、今夜それぞれ家に帰らない人物がいる。父親に反発して飛び出した受験生。妻に別れを告げ、元恋人のもとに向かう男。子供たちと献身的な妻との生活に息苦しさを感じ、残業と偽って帰らない男。長い一夜の中で、三つの物語はときに交差する。夜明けまでに彼らは家に帰るのか、帰らないのか─
バイ・ジンルイ監督は、イタリアで映画制作を学び、近代的な映像技術を台湾に持ち込んだ先駆者である。日本ではオムニバス映画『大輪廻』(83)等で知られていたが、近年そのスタイリッシュで、現代的な美的センスで再注目されている。
本作では多線的な語りを用いて、独特の社会派リアリズム喜劇を生み出した。登場人物たちはモダンな空間を行き来し、華麗で変化に富んだカメラワークのもと、複雑な奥行きと緻密な美術配置によって深い空間感覚が築かれている。

『宵闇の火花』
7月25日(土) 13:30開演/慶應義塾大学<三田キャンパス>北館ホール
2024 年/78 分/台湾
原題:愛作歹/英題:Silent Sparks
監督:チュウ・ピン(朱平)
出演:ホアン・グァンジー(黃冠智)/シー・ミンシュアイ(施名帥)/ファン・ルイジュン(范瑞君)/ジェン・ジーウェイ(鄭志偉)

©️pts

配給:ショートレッグフィルム

◆2025 ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品/テディ賞最優秀作品賞 ノミネート
◆2025 台北映画祭 台北映画賞 最優秀主演男優賞 ノミネート
◆2025 台湾テレビ金鐘奨 ドラマ番組賞〈テレビ映画部門〉ノミネート

裏社会で生きる、実直な性格の青年・匏仔。彼の心には、刑務所で共に過ごした先輩・咪幾がいた。再会を心待ちにしていたが、出所した咪幾から思いがけず冷たくあしらわれてしまう。行き場のない思いは、いっそう抑えがたいものになっていき…。
社会の闇に埋もれた人間の感情と欲望を浮かび上がらせる、クィア・ノワール。
チュウ・ピン 監督の初長編デビュー作で、ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品され、テディ賞最優秀作品賞にノミネートされた。ホアン・グァンジー(『娼生』)、シ

『夜明けの前に』
8月1日(土) 13:30開演/日本映画大学<新百合ヶ丘キャンパス>大教室
2025年/113分/台湾
原題:南方時光/英題:Before the Bright Day
監督:ツァオ・シーハン(曹仕翰)
出演:チェン・シュエンリー(陳玄力)/ウー・カンレン(吳慷仁)/メイ・スン(孫淑媚)/ホアン・ディーヤン(黃迪揚)

©️百景映画股份有限公司

◆2025 金馬奨 最優秀監督賞/最優秀美術設計賞/最優秀衣装デザイン賞 ノミネート
◆2025 高雄映画祭 クロージング作品
◆2025 サン・セバスティアン国際映画祭 新人監督部門

1996年。台湾では初の総統直接選挙を目前に控え、台湾海峡ミサイル危機が国を覆い、経済も揺れ動いていた。15歳の小洲は、不穏な空気が漂う家から逃れ、ビリヤード場に自分の居場所を見つける。不良仲間とつるみ、教師に反発し、優等生のクラスメイトに恋をする。そんな日々の中で、小洲は少しずつ大人へと近づいていく。
ツァオ・シーハン監督の長編デビュー作。『藍色夏恋』のイー・ツーイェン(易智言)監督がプロデューサーを務めた。

『甘露水』(原題:甘露水)
9月19日(土) 16:30開演/ユーロライブ
2025 年/142 分/台湾
原題:甘露水/英題:Daughter of Nectar
監督:リン・ジュンニー(林君昵) /ホアン・バンチュエン(黃邦銓)

©️2024 Kiki Kunio Production All Right Reserved

◆2025 金馬奨 最優秀ドキュメンタリー賞/最優秀オリジナル映画音楽賞 ノミネート

台湾美術史における伝説的存在である彫刻家・黄土水。代表作の裸婦像「甘露水」は、台湾の国宝である。二人の監督は、黄土水の日本留学時代の足跡をたどり、戦後「甘露水」を所蔵していた台中の張家を訪ねる。美しい 16mm 映像で「甘露水」の軌跡をたどりながら、現代に連なる時代の変遷を静かに映し出す。
台湾美術界を代表する芸術家の黄土水(1895-1930)は、台湾出身者初の東京美術学校留学生で、2024年に東京藝術大学にて特別展が開催された。
代表作の《甘露水》は 1921年の第3回帝展(現在の日展)入選作。1958年以降行方不明となっていたが 2021年に奇跡的に見つかった。長年同作品を保管して来た医師・張鴻標氏の家族が同作品を国家に返還し、現在は国立台湾美術館が収蔵している。2023年2月には国宝に指定された。
共同監督を務めた黄監督、林監督共に、本作が長編初監督作品となる。

『深く静かな場所へ』
10月4日(日) 18:00開演/シネ・ヌーヴォ
2025 年/108 分/台湾
原題:深度安靜/英題:Deep Quiet Room
監督:シェン・コシャン(沈可尚)
出演:ジョセフ・チャン(張孝全)/アリエル・リン(林依晨)/チン・シーチェ(金士傑)/ディン・ニン(丁寧)

©️風起娛樂

◆2025 金馬奨 最優秀主演男優賞/最優秀主演女優賞/最優秀助演男優賞/最優秀新人監督賞/最優秀脚色賞/最優秀撮影賞/最優秀美術設計賞 ノミネート
◆2025 平遥国際映画祭 最優秀作品賞/最優秀男優賞

図書館で出会ったふたりは恋に落ち、やがて結婚する。妊娠をきっかけに、
これまで抱えてきたプレッシャーや家族にまつわる影が徐々に浮かび上がり、二人の関係にも変化が生じていく。それには、足の不自由な義父との同居が関係しているようで…。
抑圧された日常の中で見過ごされてきた沈黙の暗部へと鋭く迫る、野心作。
ドキュメンタリー映画監督として 25 年のキャリアを持つシェン・コシャン監督による、初の長編劇映画作品。金馬奨主要 7 部門にノミネートされた。

『荒野の夢』
10月24日(土) 14:00開演/台湾文化センター
2025 年/103 分/台湾
原題:我在荒野做了一場夢/英題:Seven Ages of A Man
監督:シェン・コシャン(沈可尚)

©️Activator Co., Ltd. & 7th Day Film Co., Ltd.

◆2026 パリ台湾映画祭

探検家の徐仁修は、50 年にわたり荒野や熱帯雨林を歩き続け、カメラと文章を通して自然の壮大さと脆弱さを記録してきた。しかし年を重ね、自身に残された”時間”と向き合うことになる。そして彼は自ら「最後の探検」と呼ぶ旅へと向かう。目的地はアマゾン。
自然と生命哲学を横断するドキュメンタリーの旅がはじまる─
ドキュメンタリー映画監督として 25 年のキャリアを持つシェン・コシャン監督最新作。シェン監督の『築巣人 ARolling Stone』は、山形国際ドキュメンタリー映画祭 2015 にて上映された。

≪アンコール上映≫

『余燼』(原題:餘燼)
6月7日(日) 12:00開演/ユーロライブ
2024 年/162 分/台湾
原題:餘燼/英題:The Embers
監督:チョン・モンホン(鍾孟宏)
出演:チャン・チェン(張震)、モー・ズーイー(莫子儀)、ティファニー・シュー(許瑋甯)、チン・シーチェ(金士傑)

©️本地風光電影

◆金馬奨 2024 主演男優賞、助演男優賞、美術賞、衣裳デザイン&メイク賞、オリジナル音楽賞

2006年、台北市内で起きた刺殺事件をきっかけに、過去と現代が交差し、台湾現代史の悲劇と共に壮大な復讐計画が浮かび上がる。
『ひとつの太陽』『瀑布』のチョン・モンホン監督が、白色テロを題材に、国家、歴史が絡む壮大なサスペンスに挑んだ問題作。チャン・チェン、モー・ズーイー(『親愛なる君へ』)は、本作で金馬奨主演・助演男優賞にノミネートされた。
『ひとつの太陽』『瀑布』にも出演したティファニー・シュー、リウ・グァンティン、チェン・イーウェンのほか、名優チン・シーチェ、マー・ジーシアン(『セデック・バレ』)や、『イケメン友達』(第 20 回大阪アジアン映画祭)で金馬奨主演男優賞を受賞したチャン・ジーヨンが脇を固めた。

『タイペイ、アイラブユー』
6月7日(日) 15:15開演/ユーロライブ
2023 年/115 分/台湾
原題:愛情城事/英題:Tales of Taipei
監督:イン・チェンハオ(殷振豪)/リウ・チュエンフイ(劉權慧)/シュー・チェンチエ(許承傑)/チャン・ジーアン(張吉安)/ノリス・ウォン(黃綺琳)/パオ・チョニン・ドルジ(巴沃邱寧多傑)/ラシド・ハミ(哈希德阿米)/レミー・ホアン(黃婕妤)/リー・シンジエ(李心潔)

出演:チャン・チェン (張震)、チェン・シューファン(陳淑芳)、カリーナ・ラム(林嘉欣)、サミー・チェン(鄭秀文)、シエ・ペイルー(謝沛如)

©️Kurouma Studios

◆金馬奨 2023 クロージング作品

台北の街を新聞配達員がバイクで駆け巡り、10 章の物語が綴られていく。孤独な人々の心と、さまざまな形の愛が映し出されていく。
『君が最後の初恋』『正港署』のイン・チェンハオ、『私のプリンス・エドワード』『作詞家志望』ノリス・ウォン、『お坊さまと鉄砲』パオ・チョニン・ドルジ、『夕霧花園』で阿部寛と共演したリー・シンジエ等、台湾、香港、マレーシア、ブータン、フランスなどの監督たちによるオムニバス映画。時代、年齢、性別、国籍、さらに生と死を超えた、さまざまな愛の形が描かれる感動ストーリー。

『燃えるダブルス魂』
9月19日(土) 12:00開演/ユーロライブ
2024年/105分/台湾
原題:乒乓男孩/英題:Doubles Match

出演:ビビアン・スー(徐若瑄)、レクセン・チェン(鄭人碩)、シー・ミンシュアイ(施名帥)、ポン・ユーカイ(彭裕愷)

©️Rise Pictures Co., Ltd.

◆台北電影節 2024 オープニング作品
◆シュリンゲル国際映画祭 2024

かつて天下無敵の最強ダブルスペアになることを誓い合ったふたりが、選手権大会でライバルとして対峙することになり…。
『老大人』で温かな人間模様を描いたホン・ボーハオ監督が、本作では熱血スポーツ映画という新たな題材に挑戦した。
実際に卓球選手でもあるポン・ユーカイとリー・シンウェイ(李星緯)は、卓越した技術と優れた演技を披露。ライバルでもあり友人でもある二人の姿が観る者の胸を打つ。さらにビビアン・スー、レクセン・チェン、シー・ミンシュアイ(『本日公休』)等、豪華キャストが加わり、熱いラリーが繰り広げられる。

『夫殺し デジタル・リマスター版』
9月19日(土) 14:15開演/ユーロライブ
1984 年/102 分/台湾
原題:殺夫 數位修復版/英題:The Woman of Wrath (Restored)
監督:ソン・ジュアンシャン(曾壯祥)
出演:パイ・イン(白鷹)、パット・ハー(夏文汐)、チェン・シューファン(陳淑芳)

©️1984 Tomson Films Co., Ltd. / ©️ 2023 Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.

◆ロッテルダム国際映画祭 1995
◆ウディネ・ファーイースト映画祭 2024

深夜に母親が食べ物と引き換えに体を売る姿を目撃した少女。成長し、残酷な結婚生活の中で、彼女の精神は追い詰められていき…。
世界15カ国で翻訳された現代台湾フェミニズム文学の最高傑作として知られる、リー・アン(李昂)の小説「殺夫」(1983年)の映画化。リー・アンの初期作品に見られる台湾の郷土への関心を受け継ぎつつ、性、飢え、権力関係に対する鋭い洞察が描き出されている。
ソン・ジュアンシャンが監督を務め、脚本はウー・ニェンチェン(呉念真)が担当した。デジタル・リマスター版として41 年ぶりにスクリーンに蘇った。

『猟師兄弟』
10月4日(日) 13:30開演/シネ・ヌーヴォ
2024年/109 分/台湾
原題:獵人兄弟/英題:Hunter Brothers
監督:スー・ホンエン(蘇弘恩)
出演:シュー・イーファン(徐詣帆)、マー・ジーシアン(馬志翔)、リン・チンタイ(林慶台)、エイミー・シュ(許靈勻)

©️Phbah Film Production Ltd.

◆高雄映画祭 2024 クロージング作品
◆ハワイ国際映画祭 2024

父と狩りに行った山で起きた事故が、タロコ族の兄弟の運命を大きく変えた─。兄弟の生き様から、伝統と文明の対立が描かれていく。
『セデック・バレ』(2011)のシュー・イーファン、マー・ジーシアン、リン・チンタイが再び共演した話題作。監督は自身のタロコ族の祖父の日常を追ったドキュメンタリー映画『靈山』の蘇弘恩。本作では、現代に生きる原住民族の葛藤と、家族の物語を深く描き出した。

『金魚の記憶』
10月4日(日) 15:40開演/シネ・ヌーヴォ
2023 年/117 分/台湾
原題:(真)新的一天/英題:Fish Memories
監督:チェン・ホンイー(陳宏一)/『台北セブンラブ(原題:相愛的七種設計)』等
出演:リー・ミンジョン(李銘忠)、ハンク・ワン(王碩瀚)、ホン・チアン(虹茜)、チウ・ズーユー(邱志宇)

©️紅色制作所 Red Society Films

◆2023 台湾金馬奨 最優秀撮影賞受賞

『台北セブンラブ』のチェン・ホンイー監督の最新作。2024 年 3 月に台湾で劇場公開され、早くも映画評論家や映画ファンたちの間で「チェン監督の最高傑作」と話題になっている。長年、チェン監督とタッグを組み、中華圏の商業映画でも活躍しているカメラマンのユー・ジンピン(余靜萍)は、本作で女性では初の金馬奨最優秀撮影賞を受賞した。
水槽の中で揺らめく金魚。若いカップルと中年の男。パラレルワールドの中で、彼らの人生が交差し絡み合っていく。しかし不条理で放蕩な日々は、一瞬の出来事により一変する。人生の不条理と都会の虚無をスタイリッシュな映像美とサスペンスフルな語りで描いた話題作!

チェコ映画傑作選

『一口のパン』 Sousto
1960 年 / 11 分 / モノクロ
監督:ヤン・ニェメツ
脚本:ヤン・ニェメツ、アルノシュト・ルスティク
撮影:イジー・シャーマル
編集:ヨゼフ・ドブジホフスキー
出演:ヤン・バルトゥーシェク、オルドリッヒ・ブラーハ、イヴァン・レンチ

チェコ・ヌーヴェルヴァーグの主要人物の一人、ヤン・ニェメツ監督の卒業制作映画。ホロコーストを生き延びたチェコの小説家、アルノシュト・ルスティクの短編小説を基とする。強制収容所へ向かう途中、脱走を企てる囚人3人が、まず一斤のパンを盗むことを決意するが…。史上もっとも最小規模かつ、痛切な強盗映画であり、世界最高の学生映画の一本。

『夜のダイヤモンド』 Démanty noci
1964 年 / 67 分 / モノクロ
監督・脚本:ヤン・ニェメツ
原作・脚本:アルノシュト・ルスティク
撮影:ヤロスラフ・クチェラ
編集:ミロスラフ・ハーイェク
出演:ラジスラフ・ヤンスキー、アントニーン・クンベラ

強制収容所へと向かう貨物列車から脱走した少年二人。疲れきった体でプラハへと向かう二人だが、途中で自警団とおぼしき老人集団に捕まってしまい...。
マンハイム=ハイデルベルク国際映画祭でグランプリを受賞。チェコスロバキア・ヌーヴェルヴァーグの映画として初めて国際的に評価された作品のひとつとなった。ホロコーストを生き延びたチェコの小説家、アルノシュト・ルスティク の短編『闇に影はない』を脚色した本作は、当時としては珍しく、強烈に主観的な視点で戦争というテーマをとらえている。<死の輸送>から逃亡し、ズデーテン地方の森で苦しむ逃亡者たちの体験に彼らの記憶、夢、想像が入り込み、苦しみに直面する人間の魂の探求を実存的ドラマの領域にまで広げている。

『第五の騎士は恐怖』 A pátý jezdec je Starch
1965 年 / 98 分 / モノクロ
監督:ズビニェク・ブリニフ
原作:ハナ・ベロハドスカ
脚本:ハナ・ベロハドスカ、ズビネク・ブリニッチ
撮影:ヤン・カリシュ
編集:ミロスロフ・ハジェク
音楽:イジー・シュテルンヴァルト
出演:ミロスラフ・マカセック、オルガ・シャインプフルゴヴァー、イジー・アダムィラ

ヒトラーの右腕とも言われ、チェコの統治者でホロコースト計画を推し進めていたハイドリヒによる恐怖政治下で、自らの道徳的義務を果たそうとする主人公──非人間的な時代に、人間性についての自分の考えを実現しようと試みるブラウン医師の姿を描き出す。だが、あらゆる形の恐怖が、彼を助けうる人々、同じ集合住宅に住む隣人たちを歪めていく。ハナ・ベロハドスカの小説に触発された本作は、絶望的な状況に陥った登場人物たちや、繊細なモノクロの映像美という点で、彼の前作『Transport z ráje』(楽園からの移送)と共通している。ブラウン医師を演じるのは、反共産主義者として生涯にわたり活動を妨害されながら舞台に出演、演出を手掛け続けたチェコを代表する演劇人、ミロスラ
フ・マカセック。

『火葬人』 Spalovač mrtvol
1968 年 / 100 分 / モノクロ
監督:ユライ・ヘルツ
原作・脚本:ラジスラフ・フクス
音楽:ズデニェク・リシュカ
撮影:スタニスラフ・ミロタ
編集:ヤロミール・ヤナーチェク
出演:ルドルフ・フルシーンスキー、ヴラスタ・フラモストヴァー、ヤナ・ステフノヴァー、ミロシュ・ヴォグニチュ、イジー・メンツェル

1930 年代のチェコを舞台に、「ヒッチコックのグロテスクな作品を彷彿とさせる心理ホラー」の要素をほのかに感じさせる、ナチスの影響を強く受けるようになる小市民を描いた傑作。普通の男性がきわめて人間的な怪物へと変貌していく様子は、イデオロギーの影響により人間がどれほど自分の暗い側面をあらわにしてしまうかを明らかにしている。本作の魅力に大きく貢献するのは主人公のコップフルキングルを演じたルドルフ・フルシーンスキーと妻役のヴラスタ・フラモストヴァー。映画の完成後、撮影監督のスタニスラフ・ミロタは国外追放となり、本作が最後のチェコ映画となった。長らく上映が禁止されていたものの、1990年 8 月におこなわれた上映会「Filmy z trezoru(金庫から出てきた映画)」で復活。

=プロフィール=プレス資料より

◆ヤン・ニェメツ(1936-2016) Jan Němec
プラハ出身。母親は地区の眼科医で、父親は電気技師だった。もともとは音楽に傾倒し、幼少期からピアノとクラリネットを演奏。学生時代、音楽と映画学のどちらを専攻するか迷ったのち、最終的に映画を選んだという。1954 年から 1960 年まで FAMU(プラハ芸術アカデミー映像学部)の映画監督学科に在籍し、卒業制作として『一口のパン』を監督。撮影助手や助監督の経験を経て、1964 年の長編デビュー作『夜のダイヤモンド』で国際的な評価を得る。その抽象的かつグロテスクな美術には当時の妻、エステル・クルンバホヴァー(『ひなぎく』の脚本、美術、衣装、『闇のバイブル/聖少女の詩』の脚本)も大きく貢献した。1966年には『O slavnosti a hostech』(意:祝宴とゲスト)を発表するが、社会主義体制を寓話化したとして上映禁止、プラハの春期間中に短期間公開されたものの、20 年間にわたり再び上映禁止となった。1968 年、プラハの春に関するドキュメンタリーを撮影中、ソ連によるチェコスロバキア侵攻が発生。ニェメツは侵攻の映像を密かにウィーンに持ち出した。この映像は後に数多くの国際ニュース機関によって侵攻の映像として使用されることになり、フィリップ・カウフマンの『存在の耐えられない軽さ』(1988)でも使われている。1974 年、ニェメツは国外退去を余儀なくされ、1989 年までドイツ、パリ、オランダ、スウェーデン、アメリカ合衆国など居住。1989 年に共産主義が崩壊した後チェコに戻り、『Jmeno kodu: Rubin』(意:コードネームルビー、1997)や 2001 年ロカルノ国際映画祭ビデオ映画部門金豹賞を受賞した『Nocní hovory smatkou』(意:母との夜の電話、2000)などを監督。1998 年には母校である FAMU の教授に就任した。遺作はコメディ『Vlk z Královských Vinohrad』(意:ロイヤル・ヴィノフラド通りの狼、2016)。最後のシーン撮影を目前に控えた数日前に逝去し、助監督トマーシュ・クラインによって完成された。

◆ズビニェク・ブリニフ(1927-1995)
高校卒業後、映画学校には通わず職を転々とする。1946 年、アントニン・ドヴォルザークの生涯を描いた脚本本コンテストに入賞。プラハの映画スタジオに入社し 1950 年代は助監督としてキャリアを積む。1958年、初の長編作品『Zizkovská romance』(意:ジシュコフのロマンス)を監督、カンヌ国際映画祭にも出品した。1960 年代にかけて政治的なテーマに焦点をあて、アルノシュト・ルスティクの短編小説を映像化した大戦下の強制収容所の物語『Transport z ráje』(意:楽園からの移送、1962)、ハナ・ベロハドスカの短編小説の映像化であり、黙示録の四騎士(戦争、飢饉、死、疫病)に触発された、『第五の騎士は恐怖』、実は死んでいなかったヒトラーの治療のために拉致されたチェコ人医師が体験する恐怖を描く SF『Já,spravedlnost 』(意:私は正義、原作:ミロスラフ・ハヌス、1968)などナチス・ドイツを題材にした作品を手がけ高い評価を得た。『Transport z ráje』に助監督として参加したユライ・ヘルツは、のちにブリニフについて「自らの構想を支えている意味深く独特な表現へと俳優を導く、非常に優れた感覚を持っている」と語った。1968 年以降は西ドイツを中心に活動し、『O Happy Day』 (1970)、『Engel, die ihre Flügel verbrennen』(意:翼を焼く天使たち、1970)、『Die Weibchen』(意:雌たち、1970)の三本の長編映画を監督、テレビ映画を六本製作。1970 年代にチェコスロバキアに戻り、恋愛映画、政治ドラマ、探偵ドラマなどジャンル様々な長編映画を発表、晩年はテレビシリーズを製作した。1995 年、プラハで死去。

◆ユライ・ヘルツ(1934-2018)
ケジュマルク出身。ユダヤ人の家庭に生まれ、子供時代の一部を強制収容所で過ごした。1950 年から1954 年まで高等美術工芸学校で写真を学び、1958 年には DAMU(プラハ芸術アカデミー演劇学部)で演技を専攻し、演出も学んだ。同級生にはヤン・シュヴァンクマイエルがいる。映画界では端役としてキャリアをスタートし、助監督の経験を経た後、初の長編映『Znamení raka』(意:蟹座、1967)を監督。主に文学作品を映画化した『火葬人』(原作:ラジスラフ・フクス、1968)、『Sladké hry minulého léta』(意:去年の夏の甘いゲーム、原作:モーパッサン、1970)、Petrolejové lampy』(意:石油のランプ、原作:ヤロスラフ・ハシェク)(1971)、『モルギアナ』(原作:アレクサンドル・グリーン、1972)などで高い評価を得る。『火葬人』は1972 年にはシッチェス映画祭で最優秀作品賞を受賞したが、公開後すぐに共産主義の検閲により上映禁止となり、1989 年のビロード革命後まで国内で上映されることはなかった。しかし国際的には広く称賛されカルト的な地位を確立した。自身のホロコースト体験をもとにした作品や、『美女と野獣』(1978)、『ナインス・ハート』(1979)、『高速ヴァンパイア』(1982)など、ダークファンタジーやホラーといったジャンル映画も多々手がけた。1987 年、当時の妻である女優テレザ・ポコルナ=ヘルツォヴァーとともに西ドイツに移住。ベルリンの壁崩壊後にチェコに戻り、テレビ映画やドラマシリーズのほか、演劇の演出も手がけた。
2000 年代も活動を続け、2009 年には超常現象スリラー『T.M.A.』(2009)、2010 年には第二次世界大戦後、チェコスロバキアから 300 万人のドイツ系移民が追放された事件を描いた『ハーバーマン 誇り高き男』を発表。2018 年、プラハで死去。

チェコ映画傑作選
公式サイト https://czechfilms.jp/
https://x.com/czechfilmsjp
★4月10日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか順次公開中

2025ベスト10 加藤久徳

《日本映画》
『宝島』
『新幹線大爆破』
『フロントライン』
『国宝』
『今日の空がいちばん好き、とまだ言えない僕は』
『盤上の向日葵』
『「桐島です」』
『TOKYO タクシー』
『アフター・ザ・クエイク』
『かくかくしかじか』

《外国映画》
『フランケンシュタイン』
『ハウス・オブ・ダイナマイト』
『鯨が消えた入江』
『プラハの春 不屈のラジオ報道』
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』
『ANORA/アノーラ』
『ワザリング・ハイツ ~嵐が丘~』
『プロフェッショナル』
『フレッシュ・デリ』
『アーサーズ・ウイスキー』
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《ドキュメンタリー、記録映画》洋邦一緒
『COW/ 牛』
『未完成の映画』
『うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生』
『ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家』
『ザ・フー キッズ・オールライト』
『落語家の業』
『フリードキン・アンカット』
『原爆スパイ』
『クンストカメラ』

《長編アニメーション》洋邦一緒
『FLOW』
『ひゃくえむ。』
『かたつむりのメモワール』

今回は個人賞を挙げていないが、実はドキュメンタリー部門に“主演男優賞”が3人もいる。『落語家の業』の主人公である快楽亭ブラック師匠。そして、俳優の故・織本順吉、音楽家のミシェル・ルグランがそれで、理由を記すなら、実写映画での俳優さんたちの熱演より、お三方の素のインパクトの方が強烈だった。特に織本順吉氏など、TV・映画の過去作に、これほどの“演技力”見せつけるものは(失礼ながら)、無かったと思う。
同じくドキュメンタリーの『COW/ 牛』は、全作品トータルでのベストワンである。終わった時は、身も心も凍りついた。
『フリードキン・アンカット』はセル用のブルーレイ、DVDの特典映像なのだが、シネマート新宿で1週間(7回)だけ特別上映された。この人、実はTVドキュメンタリーの巨匠だったんですね。知らなかった。
『アーサーズ・ウイスキー』と『かくかくしかじか』をベスト10に入れたのは、グッバイ、ダイアン・キートンとカムバック、永野芽郁の気持ちから。もう、主演女優賞は永野芽郁にするのだ。

横浜キネマ倶楽部 第88回上映会『やかまし村の子どもたち』(5/4)

横浜キネマ倶楽部より、第88回上映会のお知らせをいただきました。

<<< 第88回上映会のお知らせ >>>
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上映作品『やかまし村の子どもたち』

◆日時:2026年5月4日(月・祝)
上映時間 :13時30分~15時00分(13時00分 開場) 
講 演 者 :石井登志子さん(翻訳家)
講演時間 :15時00分~16時00分

◆場所:横浜市南公会堂http://www.minami-kokaido.jp/

【作品概要】
『やかまし村の子どもたち』
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やかまし村に夏がやってきた!
スウェーデンの人気児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの代表作の映画化
監督:ラッセ・ハルストレム
原作/脚本:アストリッド・リンドグレーン
出演:リンダ・ベリーストレム、クリストピン・ディクソン・ヴェンデニウス、
ヘンリク・ラーソン、エレン・デメルス、アンナ・サァリーン、ハラルト・ロンブロ
1986年/スウェーデン/90分/DVD上映

【解説】
「長靴下のピッピ」「ロッタちゃん」シリーズでおなじみの、スウェーデンが誇る人気児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの代表作を、
作者自身の手による脚本で映画化。監督は、同じくスウェーデンの名匠ラッセ・ハルストレム。

入場料:一般:1,300円(前売1,000円)

入場券・チケット販売方法
(1)入場券販売場所
有隣堂伊勢佐木町本店、高橋書店(元町)、いづみ書房、ジャック&ベティ(黄金町)、横浜シネマリン(長者町)、岩間市民プラザ(天王町)
(2)チケットぴあ Pコード:555-933)(購入は5月3日まで)
https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=555-933

◆問い合わせ:080-2554-8023(10~18時)おかだ

主催:横浜キネマ倶楽部 ⇒ https://ykc.jimdofree.com/
後援:横浜市教育委員会
担当:横浜キネマ倶楽部 岡田明紀(090-9373-7559 / akino@yk.rim.or.jp)