名古屋ミニシアターシネマスコーレのスタッフ。3D 作品の特集上映企画担当伊藤さんのベストテン

2017年はこの10本! 伊藤新悟

第1位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス 次世代IMAX3D版
大好きな映画監督ジェームズ・ガン。『スリザー』や『スーパー!』など自身の B 級路線のテイストを 残しながらマーベルコミック原作の超大作を作品と格闘しつつ、かなり自由に!痛快に仕上げている。 ベビー・グルートの愛くるしさと全体のポップ感がマッチして凄く良かった。本作で 109 シネマズ大阪 エキスポシティの IMAX WITH LASER を初体験。巨大スクリーンに映写された 3D 作品は映画と一体となる 体験ができて大満足だった!

第2位 哭声 コクソン
韓国の田舎の村によそ者(國村準)がやってきてから不穏な事件が連続する...『チェイサー』のナ・ホ ンジン監督が容赦ない描写でたたみ掛けるオカルト大作!國村準の悪魔のごとき怪演がスバラシイ!

第3位 パトリオット・デイ
臨場感たっぷりにリアルな現場描写を得意とするピーター・バーグ監督作品。2013 年 4 月のボストン マラソン爆弾テロ事件。犯人確保までの 102 時間がスリリングに描かれる。テロが起きた際、巻き込ま れ亡くなった人がどのように扱われたのか?そして中盤から後半にかけて、追い詰められた犯行グルー プが、夜の街を徘徊し一般市民を拉致。そのまま怒涛の市街戦に突入するくだりなど、その緊張感は監 督の中でも屈指の出来だった。

第4位 散歩する侵略者
前川知大原作の舞台を黒沢清監督が映画化。<概念>を奪う侵略者。しかし見た目は人と変わらない 彼らの不気味さが黒沢作品としてうまく機能していた。人々から概念が消え世界は静かに崩壊してゆく。 その中で描かれるのは不仲だった夫(松田龍平)に訪れる変化、それに苛立ちを隠せない妻(長沢まさみ) と彼らに関わる人々の物語。限られたであろう予算の中、さまざまなアイデアが見事に光っていた。

第5位 ユリゴコロ
『虹の女神 Rainbow Song』などの恋愛映画の名手、熊澤尚人監督がミステリーに挑み見事に新たな代 表作を生み出した。殺人をココロの拠りどころとしてしか生きてゆけない女、美紗子(吉高由里子)の波 乱万丈の人生が現在と過去を交錯してつづられてゆく。クライマックスはダムでの激白のシーン。見事 な 1 シーンで思わず涙がでてしまうほど。女優 吉高由里子の新たな代表作だ。

第6位 怪物はささやく
病に伏した母。その少年のもとに現れた巨大な怪物が毎夜 1 つずつ。3 つの物語を語りだす。少年の心 とリンクする怪物の物語と少年が最後に語ることになる 4 つ目の物語が切なく感動的。アニメーション や CG を駆使した幻想的な視覚効果も美しかった。

第7位 お嬢さん
パク・チャヌク監督の官能ミステリー。2017 年衝撃の作品といわれて思い出すのがこの作品。とにか く変態的でエロティック。それぞれに視点が変わる 3 部からなるミステリーも観ごたえがあった。

第8位 スキップ・トレース
90 年代に大ヒットアクションを連発したレニー・ハーリン監督とジャッキー・チェン。そしてその相 棒におバカなことに体を張って限界に挑む『ジャッカス』シリーズのジョニー・ノックスヴィル。全編 どこか懐かしい痛快なアクションとドタバタコメディが展開。上映中、場内は笑いが絶えなかった。2017 年 1 番爆笑しながら鑑賞した作品。

第9位 ナラタージュ
行定勲監督作品。離婚の成立していない妻をもつ教師葉山(松本潤)と女子学生泉(有村架純)の許され ない恋を描く。泉がクライマックスに校舎屋上で涙をみせる一連のシーンがとくに作品の印象に残り気 持ちを持っていかれた。初めて有村架純の魅力に気付けた作品。

第10位 ドクター・ストレンジ IMAX3D版
2017 年の 3D 作品としては No.1 の出来。3D 描写が抜群に優れていた。主人公であるドクター・ストレ ンジは魔術を扱う異色のヒーロー。そのキャラクター性を生かし主人公は画面奥からスクリーン手前へ 駆け巡る。3D 演出ありきの画面構成も凝ったつくりになっていた。街が前後左右上下に分離し、その中 を演者たちが縦横無尽に移動する描写など、予算を贅沢につかったビジュアルが全編に渡り展開し圧倒 された。

☆2017 年 9 月に全国的にもめずらしい 3D 映画の特集上映『スコーレぶっとび☆3D 祭り』を企画開催。

2017年の映画で一言(…か二言三言か四…) ねんねこのベストテン+?

注目作品をいっぱい観逃しているのも相変わらずながら、なにより私ねんねこの映画体験に於いて ゙特別な存在″である大林宣彦監督の『花筐 HANAGATAMI』までも観ていないというのだから、もうベストテンも何もあったもんじゃないんだけど、それでも印象に残った作品を幾つか振り返ってみました。順不同です。

【日本映画】
★『PARKS パークス』 橋本愛ちゃんは毎年自転車で走り回ってますね。
★『美しい星』 その橋本愛ちゃんって、三年ほど前にもEテレでUFO呼んでなかった?
★『彼らが本気で編むときは、』 糸電話とおっぱいと ゙煩悩″と「すっげぇ~」にはマイッタ!
★『帝一の國』 いま糸電話って流行ってるの?大仰なバカバカしさばかりに目を奪われて、この映画を侮るなかれ。
★『あゝ、荒野 前・後篇』 こちらでも過剰なほどの演技なのにクサい芝居にならない菅田将暉クンおそるべし!
★『幼な子われらに生まれ』 おかげで?これほどの浅野忠信さんなのに、またしても賞を獲れないのかぁ…
★『光』(河瀬直美監督) 永瀬正敏さん、またしかり!水崎綾女さんもどんどん良い女優になっていってるんだけどな。
★『笑う招き猫』 これを観ても、清水富美加さんはつくづく勿体ないよなぁ…
★『暗黒女子』 その清水富美加さん演ずる副部長を主役に据えている時点でややネタバレなのでは?
★『氷菓』 斐太高校はねんねこの両親の母校なのです!ところで広瀬アリスさん(23)高校生役はそろそろキツイかな?それなのに…
★『傷だらけの悪魔』 あだっちぃ(25)まだまだ女子高生役イケそうなのは何故!?
★『14の夜』 14歳少年の ゙とある24時間″の物語で少しだけ大人になる。父親の方が子供のまま?
★『彼女の人生は間違いじゃない』 この父親はそうゆうのとはちょっと違うけど…あっ!同じ人だ!!
★『狂覗 KYO-SHI』 これもまた ゙いじめ″に関する映画だけど、超低予算ながらこの着眼点と面白さ。これを ゙下手″とか言っちゃダメ!タイトルは ゙教師″の懸詞ですね。
★『光と禿』 これも小品ながら観逃せないよ!
★『トリガール!』 一番素直に笑って楽しめたのはコレ!天使のような土屋太鳳さんがホントに空を舞います。
★『はらはらなのか。』 一番のお気に入り作品ということなら『PARKS』か、コレな・の・か…。どっちも歌入り映画ですね。主演は「♪全力はみがきレッツゴー」の、まだ子役?とも言えるくらいの女の子=原菜乃華ちゃん。
★『海辺のリア』 そして片や御大・仲代達矢氏です!「♪蛍の光」は『素晴らしき哉、人生!』だからだよ。
その他、『彼女がその名を知らない鳥たち』『愚行録』『武曲 MUKOKU』『リングサイド・ストーリー』などが良かったです。

【外国映画】
★『人生はシネマティック!』 映画を愛する人ならきっと好きになる。
★『LA LA LAND ラ・ラ・ランド』 ミュージカル狂の自分としては、大いに期待した!…わりには…でもまぁ…
★『お嬢さん』 原案「このミス」1位×監督パク・チャヌク。これで面白くないわけがない!
★『T2 トレインスポッティング』 観る前に『T1』を復習しといて良かった。よくぞ全員揃ってくれた。
★『スウィート17モンスター』 17歳だけど中二病?
★『世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方』 お子様だって後期高齢者だってやるときゃやるのさ!
★『わたしたち』 こっちでも ゙いじめ″が蔓延ってるな。
★『怪物はささやく』 これにもいじめが出てくるけど、もう人生哲学です。ホラー映画ではないですよ。
★『わたしは、ダニエル・ブレイク』 勝手に進みゆく社会に、取り残される個人がいじめられてる。他人事じゃない!
★『The NET 網に囚われた男』 もうあまりにも理不尽で残酷な、国家による庶民への ゙いじめ″でしかないんじゃ?
★『50年後のボクたちは』 そんな自分はもう既に彼らの50年後に近いんだなぁ…
他には、『甘き人生』『ダンケルク』『沈黙 -サイレンス-』『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』などが高得点。別に採点とかしてないんですけどね。

最後に、2010年の我が圧倒的!ベストワン作品『ヘヴンズ ストーリー』がようやくDVD/BD化されました。これこそが自分には2017年の映画関連事項、最大の収穫なのです。

元気いっぱいのママさん 猫の2017ベストテン

2017年に劇場及び映画祭で鑑賞した映画は 日本語映画(邦画) 63本・外国語映画 184本・旧作16本 計263本でした。昨年に比べ邦画鑑賞本数が20本以上減少。 これはデジタル化により映画製作の裾野が広がり製作本数が増えている割には「観たい」映画 が減少しているのが 一番の理由だったと思います。

外国語映画の選出は凄く悩みました。自分にとって絶対にこれ!という特出したものが なかったからです。10本選びましたが順位はその日の気分で動きますし圏外に数本抱えています(笑)

日本語映画(邦画)の一位は観た直後に決まりました。久し振りに出来のいい邦画に出 会った喜びで胸がいっぱいになりました。

皆さんのベストテンに入っていて私の中にない(であろう)作品『希望のかなた』『あさ がくるまえに』『花筺 HANAGATAMI』『無垢の祈り』は残念ながら2017年には未見です。

「外国語映画」 1『わたしは、ダニエル・ブレイク』 2『女神の見えざる手』 3『モン・ロワ』 4『たかが世界の終わり』 5『ありがとう、トニ・エルドマン』 6『わたしたち』7『ドリーム』 8『僕と世界の方程式』
9『50 年後のボクたちは』 10.『私の少女時代』

『わたしは、ダニエル・ブレイク』ケン・ローチにしては毒の少ないわかりやすい映画 でした。冒頭の声のシーンだけで公的機関に対する怒り沸騰。自分だったら、こんな風に 説明するのに・・と思いながら観ていました。

『女神の見えざる手』脚本が崇高!配役にもいい意味で裏切られました。『モン・ロワ』『たかが世界の終わり』ヴァンサン・カッセルの演技力に脱帽。どちらも 観ていて胸が痛くなりました。

『ありがとう、トニ・エルドマン』こんなお父さん迷惑!だけどこんな風に自分を愛し てくれる人は他にはいないだろうな。親と子どもの両方の立場でいろいろ考えました。

『ドリーム』昨年、一番泣いた映画です。夫が横にいなかったら嗚咽したかも? 自分も もっと職場で戦えばよかったのかな?早期退職を決意した身には、自分へのいいわけにな ってしまいましたが。

「日本語映画」(邦画)」 1『夜空はいつでも最高密度の青色だ』 2『DC スーパーヒーローズ VS 鷹の爪団』 3『三度目の殺人』 4『夜は短し歩けよ乙女』 5『勝手にふるえてろ』 6『人生フルーツ』 7『あゝ、荒野、前編』8『美しい星』 9『彼女がその名を知らない鳥たち』 10.『南瓜とマヨネーズ』

一位から三位は確定。あとは申し訳ありませんが蛇足みたいな選出です。
『夜空はいつでも最高密度の青色だ』久々に大人の創った邦画。まず居酒屋シーンの映像にやられました。ずっと単調な邦画に見慣れていたので、撮影の角度・スローモーショ ン等がめちゃくちゃ新鮮に思えました。モノローグの言葉の鋭利さ。原作の詩の素晴らし さによることだと思いますが、切り口がいい!内容は違いますが『恋人たち』を観終わった後の静かな感動に似ていました。音楽もよく街頭で歌っている彼女の CD が欲しくなりま した(笑)

『DC スーパーヒーローズ VS 鷹の爪団』アニメだと思って馬鹿にしてみなかった方、残念 でした! 昨年一番笑った映画です。笑いの中にある、さりげない社会風刺が素晴らしい!

『人生フルーツ』映画のできとしてでの選出ではなくお二人の生活(本当の生き方)に 対して。しゅういちさんとお友達になりたかったです。自分も人生を楽しまなくっちゃ!

今年もたくさんの素晴らしい映画と出会えますように♪

福岡在住のFさん。福岡アジアフォーカス映画祭では連日美味しいお店に連れてってくださる映友さんのベストテン

相変わらず、順位無しでの 2017 年良かった映画の感想です。

<外国映画>
・LION/ライオン ~25 年目のただいま~ (2016) インドの風景とタスマニアのガラリと変わる風景が 2 部構成風景も見応えがありました。 人物の内面が伝わりました。ニコール・キッドマンもオーストラリア出身。地元の映画で は等身大の人物に見えて母の愛をしみじみ。

・カンフー・ヨガ (2017) ジャッキー・チェンというとコミカルなアクション これにボリウッド盛り混み音楽も陽気が魅力。

・ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣 (2016) この映画のドキュメンタリーを見るまで、このダンサーを知りませんでしたが、 跳躍、回転、など派手な力強いパフォーマンスでありながら、優雅。 素人な私でも引き込まれる魅力。 自宅に帰って、何回も予告を見たり、動画を探したりしてうっとりしました。 芯がブレない軸は美しく飽きることが全くありませんでした。

・トリプル X:再起動 (2017) スキンヘッド無敵組の一人、ウィンディーゼルが主演。 今回のは、ドニー・イェンも主演。 大画面で見るべき、爽快でした。

・ノー・エスケープ 自由への国境 (2015) トランプ政権になってからのメキシコ系の国境越え。 最後まで諦めない主人公。自分の子供への人形を持つ姿が痛ましく、 フィクションながら、なんとか助かって欲しいと願わずにはいられませんでした。

・レッドタートル ある島の物語 (2016) ロビンソン・クルーソーのように無人島に漂着した 一人の男、そこに助けられた亀が・・・。 ゴーギャンの絵のような南の島の映像。 人間が生きるための普遍の事実が言葉も無く淡々と描かれ気になった作品でした

・わたしは、ダニエル・ブレイク (2016) ケンローチ監督作品は好きなので入れました。 主人公を演じた俳優はコメディアン出身、 いかりや長介氏もいい演技を晩年していたとそんな感想も持ちました。

・疾風スプリンター (2015) 台湾が舞台ですので、おおおと思っていたら、 香港映画でした。自転車レースの駆け引き、恋愛、 自転車が人気である台湾の一面を魅力たっぷりに描いていました。颯爽です。

・弁護人 (2013) ソン・ガンホは、釜山近くの金海出身。盧武鉉元大統領も同じ地域出身と 学歴社会から外れた成り上がり、お調子者にも見える人物が、正義や不正を許さない。信 念の人になる。ちょっと前の近代韓国史と人物史を明確に表現されていました。

・僕とカミンスキーの旅 (2015) 絵という題材は値段がわからないもの。その老人画家を追いかける売れないフリーのジャーナリストのロードムービー、破茶目茶にも見えながら、最後の真実がニクく、人生には優しい皮肉も必要と感じさせる映画でした。

<日本映画>
・ユーリ!!! on ICE (2016) このテレビドラマはハマりました。フィギュアスケートのリアリティと、見慣れた聖地、 それだけでも親しみがあり、TV が大きな画面の映画館で上映されたナイト上映に行きまし た。ハマりました。

・PARKS パークス (2016)井之頭公園とノスタルジック。橋本愛ちゃんいいです。

・しゃぼん玉 (2016)市原悦子さんの語りと、すねた林遣都くんの演技に脱帽。

・トリガール! (2017)体育系のスピードノリノリです。

・彼らが本気で編むときは、 (2017)これは完全に桐谷健太くんの本音のセリフが効いてい ます。

・本能寺ホテル (2017)織田信長に感服の一品。

・野球部員、演劇の舞台に立つ! (2017)地元応援映画 1 本、野球部員が野球だけではない 人生とは? 学校の先生が可能性の道を伝えています。

・巫女っちゃけん。 (2017)地元応援映画 2 本目、神様の儀式を沢山見ることが出来るのに、 反面も見せる所のギャップもなんかいい感じでした。

・島々清しゃ (しまじまかいしゃ) (2017) 島の学校と音楽、いいです。

・台湾萬歳 (2017) 台湾3部作のラスト。台湾に住む方々と日本の繋がりを教えてくれました。

読者の方、映友の方からいただいた2017年ベスト映画をアップ‼︎

僭越ながらミッキーから。皆様のベストテンを見ていたら、どんどん忘れていた映画がよみがえり、ボケ頭が一層混乱した。考え抜いた684本最終考査ベストテン❗️(ベスト5もあり)

《日本映画》 順位なし
◆ 『牝猫たち』白石和彌監督
東京・池袋のデリヘルで働く女たちの「生き抜く」したたかさに共感した。

◆ 『愚行録』石川慶監督
人間の身勝手さ、傲慢さによって傷ついてしまう弱者の描き方に「痛みと怒り」を感じた。

◆ 『くも漫。』小林稔昌監督
映画は「下手うま風」だが、細かいところの演出がきっちりおさえられていた。

◆ 『アリーキャット』榊英雄監督
猫は9回生まれ変わるとか……この男たちの身の上にも、それが叶うよう祈りたい気持ちになった。

◆ 『彼女の人生は間違いじゃない』廣木隆一監督
5年経っても癒えない諸々のことは、きっと部外者には「理解できない」痛みだと思う。彼女はどんな時でも手を抜かなかった食卓シーンが良かった。

◆『幼な子われらに生まれ』三島有紀子監督
現実にいろんな事件も起こっている中で、今、映画化される意義は大きいと思った。

◆ 『散歩する侵略者』黒沢清監督
農家の跡継ぎ青年(満島真之介)の「所有の「の」の概念」が特に印象深かった。

◆ 『あゝ、荒野』岸善幸監督/前・後篇
菅田将暉の狂気、ヤン・イクチュンの純情。2人の一挙一動から目が離せなかった。ボクシングのファイトネームがいい。新次は「新宿新次」建二は「バリカン建二」。2人の名前がリング上で声高々と呼ばれるシーンには鳥肌がたった。

◆ 『プールサイドマン』渡辺紘文監督
去年の 『七日』 の渡辺紘文さんは一言も口を聞かなかったが、今度は一人でペラペラしゃべりまくり、同僚からも嫌われている男・白崎を演っている。名古屋の上映を期待している。

◆『リンキング・ラブ』金子修介監督
今年一番楽しめた作品。観た後体が5キロほど軽くなって、年齢も10歳は若返った気分。金子修介監督作品では『ばかもの』が好きだったが、それにもう一つ、この映画が加わった。

《洋画 》順位なし
◆ 『マン・ダウン 戦士の約束』ディート・モンティエル監督/アメリカ
衝撃のラスト7分46秒とチラシに書いてあったが、全く驚く展開だった。改めて戦争がもたらす兵士の心身両面の深い傷、その家族の悲嘆を描き切っている。

◆ 『わたしは、ダニエル・ブレイク』ケン・ローチ監督/イギリス、フランス、ベルギー
パソコン苦手世代にとって身につまされる出だしで、右往左往する姿はイギリスだけに限ったことではない。

◆ 『サラエヴォの銃声』ダニス・タノビッチ監督/フランス、ボスニア・ヘルツェゴビナ
最高の群像映画だ。厳然たる歴史上の出来事を含め、「今」をも見つめている。

◆ 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』ケネス・ロナーガン監督・脚本/アメリカ
ケイシー・アフレックのかすれ声が大好きだ。この作品では「モゴモゴ」と口の中で言っているようなしゃべりが、リーの取り返しのつかない悲しみを表しているように思えて涙を堪えきれなかった。

◆ 『バッド・バディ!私とカレの暗殺デート』パコ・カベサス監督/アメリカ
これ、殺し屋が束になって出てくるが、案外デート向けの作品かもしれない。

◆ 『しあわせな人生の選択』セスク・ゲイ監督/スペイン、アルゼンチン  
覚悟した「死」が遠くに見えたり、反対にすぐそばにあったり、登場人物も観ている者もその振り幅に翻弄されているような気持ちになった。

◆ 『セブン・シスターズ』トミー・ウィルコラ監督/イギリス、アメリカ、フランス、ベルギー
面白い!妄想を掻き立てられる作品。ノオミ・ラパスが一卵性7つ子だから出演料は7倍か !?

◆ 『スイス・アーミー・マン』ダニエル・シュナイナート、ダニエル・クワン監督/スウェーデン、アメリカ
死体と一緒に力と知恵を合わせてサバイバルする様は優しさとユーモアにあふれていた。

◆ 『ドリーム』セオドア・メルフィ監督/アメリカ
高・知能集結、超・最新の技術集結の場所NASAで黒人に対しての差別がこんなに色濃くあったとは思いもよらなかった。

◆ 『まともな男』ミヒャ・レヴィンスキー監督/スイス
さんざん(過ぎる)なトーマスのハラハラドキドキ付きのスキー旅行の顛末は……いかに。

《アジア映画》 順位なし
◆ 『ブラインド・マッサージ』ロウ・イエ監督/中国、フランス
ロウ・イエ監督作品の最高傑作。 ホアン・シュエンやチン・ハオとグオ・シャオドンの他は、実際の視覚障害者が店員役で出演している。映像の特異さ、登場人物たちの心の葛藤が深く描かれていた。

◆ 『十年』クォック・ジョン、ウォン・フェイパン、ジェヴォンズ・アウ、キウィ・チョウ、ン・ガーリョン監督/香港
第三章「方言」ジェヴォンズ・アウ監督が一番印象に残った。北京語が話せないタクシー運転手。家族でさえ北京語を話し広東語は否定される。北京語対応のカーナビからも疎外される中年男の悲哀が描かれていた。

◆ 『犯罪の女王』イ・ヨソプ/韓国
判事を目指す息子が住む考試院(受験用の下宿)で水道料120万ウォンになったのを知って、一人住まいでこんなにかかるはずがないと考試院に向かった美容院経営のミギョン。彼女はそこで大きな事件が潜んでいるのに気づく……是非是非のオススメ作品。

◆ 『ローサは密告された』ブリランテ・メンドーサ監督/フィリピン
ローサは家計の足しにと、少量の麻薬も取り扱っていたが、密告によって逮捕される。警察組織はどこの国でも腐敗した部分は少なからずあると思うが、ここに描かれているフィリピンは特別なのだろうか。

◆ 『バッカス・レディ』イ・ジェヨン監督/韓国
高齢者向け売春婦ソヨン(ユン・ヨジョン)はテクニシャンで老人たちに人気があった。「年老いた自分の人生」の後始末をしてほしい男たちの頼みに手を貸す。もちろん警察に捕まるが「どんな境遇でも受け入れる、どこに行っても幸せを見つける」というソヨンの表情は清々しい。

◆ 『裁き』チャタニヤ・タームハネー監督・脚本/インド  
下水労働者の死体がマンホールの中で発見され自殺と断定された。老歌手・カンブレ(ヴィーラ・サーティダール)の歌詞に「下水処理人は自殺しろ」というのがあって、そのせいで自殺したと逮捕された。インドの裁判の進み方、その仕組みだけではなく、裁判長、検察官、弁護士さんの私生活もバランスよく描かれていた。

◆『わたしたち』ユン・ガウン監督/韓国
学校で仲間外れにされている10歳の少女ソン(チェ・スイン)。これはどこの国においても起こり得る「子ども世界」の出来事だ。この映画のいじめはそんなに酷いものではない。きっとこの作品を親子で見てもらいたいと願った監督さんの配慮ではなかったかと感じた。

◆『ありふれた悪事』キム・ボンハン監督/韓国
地味な作りだがずっしり重みのある作品だった。「もし、あなたが同じ立場なら、信念を通すことができたか」と問いかけられているような切実な気持ちになった。

◆ 『マントラ』ニコラス・カルコンゴール監督/インド
中年のカビルが経営する老舗の食品会社は倒産寸前だが、彼の家庭は既に崩壊状態。興味深いシリアスな映画だった。どこの国でも起こりうる家庭劇だが、インドの国の古来のやり方と、新しい波である欧米のやり方の違いがはっきりと出ていた。

◆『MASTER/マスター』チョ・ウィソク監督/韓国
人を魅了するカリスマ性で韓国で数万人会員を集めている「ウォンネットワーク」のチン会長(イ・ビョンホン)。彼の正体は極悪詐欺師。韓国を代表する最高の俳優イ・ビョンホン、カン・ドンウォン、キム・ウビンのイケメン組み合わせとミッキーの大好きなオ・ダルスさんも悪役だけど出ている。

《ドキュメンタリー》5作品
◆ 『太陽の下で―真実の北朝鮮―』ヴィタリー・マンスキー監督/チェコ、ロシア、ドイツ、ラトビア、北朝鮮
監督さんは検閲の前にフィルムを持ち出すという危険をおかしてドキュメンタリーを完成させた。

◆ 『0円キッチン』ダーヴィッド・グロス監督/オーストリア
ゴミ箱で作ったキッチンカーを取り付けて、廃棄されるものを料理して皆にその場で食べてもらって、どんなに勿体無いことをしているのか具体的に教えてくれた。

◆ 『ハロルドとリリアン ~ハリウッド・ラブストーリー』ダニエル・レイム監督/アメリカ
映画製作の隠れた存在に驚くと共に、名画がこうして作られたという逸話も盛りたくさん出てくる。この内容で100分以内に編集した監督さんの手腕に感服した。

◆ 『ラモツォの亡命ノート』小川真利枝監督/日本
漠然と思っている「亡命者」とは違う。最後に5人一緒にすむところはラモツォが家政婦さんとして働いているすごいお金持ちの家。そこにどやどやっと4人の子も入り込んでいた。もちろん家事などは分担してやってはいるが「4人子連れ家政婦さん」だ。日本なら考えられない事なので非常に驚いた。

◆ 『日常対話』ホアン・フェイチェン監督/台湾/大阪(豊中)シニア映画祭にて
同居しているのに何十年も他人同士のような生活で「おはよう」の会話もない。 自分が母から愛されているのかわからない。母の沈黙には大きな秘密があると感じた監督は勇気をふるってカメラを向けた。なんでもない母娘のように見えていて実に意外なことが隠されていた。

《ホラー》5作品
◆『無垢の祈り』亀井亨監督  
学校でいじめられている10歳のフミ(福田美姫)は、家庭では義父に性虐待に近い暴力を受け、母親も暴力を振るわれている。飛び上がるくらいびっく りした作品だった。10歳の少女(撮影時は9歳とか)にトラウマになって残るのではという心配も十分考えられる。連続殺人犯 は、まだ息のあるうちに肉を削いで骨だけを取っていくのだ。それが便所でバッチリ、映像にしている……、闇の撮り方が震えるくらいい。

◆ 『スプリット』M.ナイト・シャマラン監督/アメリカ
前作の『ヴィジット』で「その手があったか !」と驚かせてくれた監督さん。2時間バッチリ楽しませて貰った。多重人格でも男の中にはたくさんいるので、その出る頻度を巡って「多重の頭 ?」が采配するという多重人格の人間関係がキモになっている。是非是非のお薦め作品。前作の『ヴィジット』も是非DVDで。

◆ 『ジェーン・ドウの解剖』アンドレ・ウーヴレダル監督/アメリカ
アメリカ・バージニア州の田舎町に住む経験豊かな検死官・トミー(ブライアン・コックス)と息子・オースティン(エミール・ハーシュ)は、遺体安置所と火葬場を経営していた。ホラー映画の祭典「シッチェス映画祭」(一度行って見たい)で 審査員特別賞を受賞したホラー。ピクッとも動かない(当たり前だけど)とっても美しい若い女性の死体ジェーン・ドウ(身元不明の呼称/ オルウェン・ケリー)。メチャクチャ美しい、いや、美しすぎる 白い肌にはシミ、シワ、傷、タトゥーなど無しで、まるで生きているようだ。美しいままの死体から出てくる「不思議なこと」に打ちのめされた。

◆ 『バイバイマン』ステーシー・タイトル監督/アメリカ  
アメリカのウィスコンシン州。古い大きな家に引っ越して来た3人の大学生が、ふとしたきっかけで「その名前を知った者、口にした者」には必ず死をもたらすという「バイバイマン」を呼び起こしてしまう。口は災いの元だ。人の口から口へとどんどん広まっていくのを止めるには、自分がしゃべった相手を殺し、殺す前に誰にしゃべったか教えてくれたら命は奪わないといって言わせて殺す。そして次は聞いた人の家に行ってまた同じように言って殺す。殺す。殺す。女刑事役にキャリー=アン・モス、生き残った老女にフェイ・ダナウェイ。なかなかの掘り出し物ホラー。

◆『フィアー・インク』ヴィンセント・マーシェル監督/アメリカ
ホラー好きな人に人生最大の恐怖を提供する会社「フィアー・インク」に連絡した超ホラー好きな男・ジョー(ルーカス・ネフ)は恋人や友人も巻き込んで恐怖体験ゲームをするが……。
出だしから「うまい!」とミッキーは膝を乗り出すように観入った。中盤は結構仲間うちで恐怖体験に協力していて面白みは半減 と思いきや、それには伏せんがあって、後半に従って「やりすぎぃ~」と叫びそうになった。そしてオチのオチもあって、久しぶりの恐怖体験をした。

《アニメ》 5作品
◆『SING/シング』ガース・ジェニングス監督/アメリカ
喉自慢の動物たちが繰り広げる歌って踊ってのヒットソングが60曲以上。観ていてついつい歌いだしたくなってしまう。そして元気になれること請け合う。

◆『レゴ(R)ニンジャゴー ザ・ムービー』チャーリー・ビーン監督/アメリカ
ブロックの「レゴ」を使ったアニメ映画。これで3作品目。ストーリーの流れ、レゴの使い方、動かし方で文句なし!! 昔の部品を使っているところもたくさんあってうんと楽しめた。

◆『ゴッホ~最期の手紙~』ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン監督/イギリス、ポーランド
これは必見。俳優さんたちにゴッホの最期の日々を演じさせて、それを125名の絵描きさんの手でゴッホの描き方で6万枚以上の油彩画となった。1秒に12枚の油絵を高精細写真となり、動きを与えている。技術的にも稀な作品だがサスペンス要素もあって圧倒された。

◆『我は神なり』ヨン・サンホ監督・脚本/韓国
ダム建設によって水没する片田舎の村に、乱暴者でいつもトラブルを起こすミンチョン(声:ヤン・イクチュン)がふらりと帰ってきた。ところが、ミンチョンの妻子や村人は新しく建った「教会」に通い、若い牧師ソン(声:オ・ジョンセ)を信じ崇めていた。ミンチョンはすぐにインチキ教団主の詐欺師ギョンソク(声:クォン・ヘヒョ)の陰謀と見抜いていた。今、注目の韓国若手監督さん。 是非前作の『豚の王』も公開してほしい。

◆『GODZILLA 怪獣惑星』静野孔文、瀬下寛之監督
巨大生物の怪獣たちの出現と、その怪獣をも倒すパワーを持つ「ゴジラ」を相手に戦ってきた人類は、次第に力を失い地球を脱出しようと計画する。 日本映画界が世界に誇るゴジラを劇場長編アニメ化。画面は斬新だが音楽は日本風の趣があった。この斬新と古風の混沌さがとても魅力的だった。