2021年公開作品よりおすすめ~ (白)

コロナ禍で、オンライン試写がほとんどでした。
ひっそりと劇場で鑑賞したものも入れて300本は越えました。そのわりに話題作は見逃してしまい、あんまり入っていません。
漫画原作&高校生の恋愛ものが相変わらず多し。少子高齢化の今、多くなっている高齢者が楽しめる作品を作って~。とはいえコロナが終息しないと、罹患したら重症化するというのと、周りに感染させるのが怖くて劇場に行けないんですよね。
おすすめはいっぱいありますが、ラストまで思い出せるものの中から(順位なし)。
濱口竜介監督作とか、ワールドワイドで有名な作品は入れてません。
私が書かずともみんな知ってるし。

全てシネジャブログに作品紹介あり。
★はインタビューや舞台挨拶記事のあるもの。


〔邦画〕
あのこは貴族★
痛くない死に方★
(ドキュメンタリー『けったいな町医者』★もぜひ一緒に)
海辺の彼女たち★
かば★
茜色に焼かれる
サマーフィルムにのって
ベイビーわるきゅーれ★
由宇子の天秤★
BLUE/ブルー
JOINT ジョイント★

*祝・完結!『るろうに剣心 最終章』

〔外国映画〕
偽りの隣人 ある諜報員の告白
王の願い ハングルの始まり
KCIA 南山の部長たち
ミナリ
1秒先の彼女
ブータン 山の教室
クーリエ:最高機密の運び屋
ジャスト6.5 闘いの証
モーリタニアン 黒塗りの記録
レイジング・ファイア(ウィルソン・イップ監督遺作)

*韓国映画が4本。メリハリきいていて、政治を扱ってもエンタメ度高く記憶に残ります。
kujirabito.jpg
〔ドキュメンタリー〕
くじらびと
デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング
グレタ ひとりぼっちの挑戦
コレクティブ 国家の嘘
スズさん~昭和の家事と家族の物語★
きこえなかったあの日★
記憶の戦争★
屋根の上に吹く風は
芸術家 今井次郎★
香川一区★

*ドキュメンタリーはどうしても社会性があり、重い題材が多くなります。目立ったのはミュージシャンや画家のドキュメンタリー。
子どもの学校の取り組みなど、観ていて笑顔になれるものもありました。
今井次郎さんは大人ですが、子どもの心が変わらずにあるような人。映画の中で生きています。

2021ベストテン ジャスミン茶

以前のように、夜遅くまで何本も見られなくなりました。

1 『香川一区』大島新監督/ドキュメンタリー
  前作『君はなぜ総理大臣になれないのか』が面白かったので、すぐ観に行きました。

2 『あの子は貴族』岨手由紀子監督
  2回観ました。

kagawa1ku.jpg
 
以下順位なし。

『中国女子バレー』(中国・香港/ピーター・チャン監督)大阪アジアン映画祭
『アメリカン・ユートピア』(アメリカ/スパイク・リー監督)
『クルエラ』(アメリカ/クレイグ・ギレスピー監督)
『ジャッリカットゥ 牛の怒り』(インド/リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ監督)
『明日に向かって笑え!』(アルゼンチン/セバスティアン・ボレンステイン監督)
『キャッシュトラック』(アメリカ/ガイ・リッチー監督)
『DUNE デューン 砂の惑星』(アメリカ/ドゥニ・ビルヌーブ監督)
『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』(大森貴弘監督)

2021ベスト10本(スタッフ・千)

今年は映画館、映画祭、オンライン、DVDなど計56本鑑賞できました。去年より若干多いのは山形国際ドキュメンタリー映画祭に参加出来たから、ですが、なんとコロナ禍で映画祭もオンライン開催…それでも楽しめましたのは関係者皆様のご尽力…ありがとうございました‼︎
本数が少ないので順不同、観た時系列です。


maigoninatta.jpg

『迷子になった拳』今田哲史監督/ドキュメンタリー
ミャンマーの伝統格闘技「ラウェイ」を巡る物語ですが、なんと私の地元・埼玉大宮も舞台のひとつ…見知った場所が、いちいち登場して興奮。

『ジャイビーム!インドとぼくとお坊さん』竹本泰広監督/ドキュメンタリー
ジャイ・ビームとは万歳ビーム!ビームとはビームラーオ・アンベードカル氏のこと…いまだヒンディー教のカースト制度が猛威を振るうインドで、身分格差を無くすために奮闘したアンベードカル氏の跡を継ぎ、現在では日本人の佐々木僧侶が悪戦苦闘中…そんなの知らなかった…上映会場だった神奈川県大和市のネパール料理屋さん「チャンドラスーリヤ」も素敵すぎました。

『けったいな町医者』毛利安孝監督/ドキュメンタリー
兵庫県で訪問医療をしている長尾和宏医師の日常を追う。もともと長尾和宏さんのファンだったので、劇場公開を知って映画館フォーラム仙台へ駆けつけました☆治療は勿論のことカラオケも上手いドクターでした。

『最後にして最初の人類』ヨハン・ヨハンソン監督
アイスランド出身の偉大なる音楽家(私にとっては…)思い入れがあり過ぎて、いまだに上手く咀嚼できない…。

『1秒先の彼女』チェン・ユーシュン監督
台湾が舞台の恋愛ファンタジーなのに、涙あふれてとまらない…それは私も独り身が長かったから?!

『牛久』トーマス・アッシュ監督/ドキュメンタリー
今年の山形国際ドキュメンタリー映画祭はオンライン開催で、じぶんの小さなパソコン画面で鑑賞したけど、それでも入管の酷さは充分に伝わってきた。2月26日劇場公開‼︎

『千古里の空とマドレーヌ』我妻和樹監督/ドキュメンタリー
『牛久』と同じくヤマガタ・オンラインで鑑賞。宮城県出身の監督が震災前から地元を見つめ続けている姿に、なにより敬服。劇場公開を待ってます‼︎

『燃え上がる記者たち』スシュミト・ゴーシュ、リントゥ・トーマス監督/ドキュメンタリー
同じくヤマガタで。インド・カーストの底辺にいる女性たちがマスコミが取り上げない、でも大事なニュースを取材して報道する…シネマジャーナルに似てませんか?!苦笑

『水俣曼荼羅』原一男監督/ドキュメンタリー
原監督の作品は10代の時からずっと追いかけて観ていて、尊敬する監督のひとり。6時間は確かに長いのだけど、そこはキング・オブ・編集の秦さんのテクニックで飽きさせない、ぐいぐい惹きつける流れになっていて、最後半の石牟礼道子さん登場で涙腺崩壊。

『えんとこの歌』伊勢真一監督/ドキュメンタリー
仙台メディアテーク館長(哲学者の鷲田清一氏)セレクトの上映会で鑑賞。脳性麻痺で寝たきりの遠藤さんを囲む人間模様…私も小学生の時、同級生で脳性麻痺のエミちゃんが居た。自他共に認める仲良しだったのに途中から学校が変わってしまい音信不通に…今はどうしているのだろうか、とても会いたくなった。

新年もコロナ禍で、なかなか外出しづらい状況だけど、やっぱり映画は映画館で観たい‼︎ (千)

2021映画ベスト SH

順不同です。
自分のインスタ(備忘録)から、ポスターだけで内容を思い出した作品を書き出しました。

KCIA.jpg

●外国映画
『KCIA 南山の部長たち』
『ノマドランド』
『ファーザー』
『シャン・チー』
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』
『ファイター 北からの挑戦者』
『モーリタニアン 黒塗りの記録』
『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』
『レイジング・ファイア』

●邦画
『すばらしき世界』
『るろうに剣心 最終章 The Final』
『るろうに剣心 最終章 The Biginning』

●ドキュメンタリー
『サマー・オブ・ソウル』
『パン・ケーキを毒見する』
『華のスミカ』
『ココ・シャネル 時代と闘った女』
『ミッドナイト トラベラー』
『コレクティブ 国家の嘘』
『我が心の香港 映画監督アン・ホイ』
『ボストン市庁舎』
『水俣曼荼羅』
『香川1区』


2021年 ベスト映画 米原 弘子

昨年映画館で鑑賞した85本の中から邦画、外国映画10本ずつ選出しました。

【邦画】
①街の上で
みんなちょっと面倒くさくてちょっと意地悪でちょっと優しくて最高に愛おしい。そんな登場人物たちに出会えた幸せに浸る。焦ると自転車に上手く乗れない雪と、緊張すると本のページを上手く繰れない青はやはりお似合い。きっと今日も下北でフワフワ生きている二人にまた会いたい。
machinouede.jpg
(C)『街の上で』フィルムパートナーズ

②由宇子の天秤
人物の表情が推進力となって物語が展開、息を呑んだまま2時間半が終わる。フィクションでありながら主人公に突き付けられた正義のあり方がそのまま我々の問題となり生々しく感情を揺さぶってくる。ドキュメンタリーの真実性についても考えさせられた。

③ドライブ・マイ・カー
昔、精神的に限界にきていて自分の感情をどう扱ってよいかわからない時期に友人の前で急に涙が溢れ、やっと自分が傷ついたことを言葉にして認めることが出来て心が解放され楽になったことを思い出した。人生は芝居みたいなものだということも改めて感じた。

④まともじゃないのは君も一緒
普通じゃない二人が普通を追い求めた結果最終的に気づいたのがそのままの自分の素晴らしさ。嫌われ者の彩夏ちゃんが実はしっかりした女性だったり、人望ありそうな宮本が最低ヤローだったり、人に関心なさそうな大野が他者の本質を正当に見極めることができる男だったり、と世間の噂や評価はまったくアテにならないという話でもあった。

⑤あのこは貴族
格差がますます顕著化している今、持てる者の生きづらさやしんどさを描いた作品は珍しいのではないか。決して交わることがなかった二人の女性が一人の男性を間にして出会い、反発しあうでも共闘するでもなくただつかの間を共にすることで自分たちの生き方を見つめる、そういう描写が現代的だなと思った。

⑥BLUE/ブルー
夢を叶えられるのはほんの一握り。才能がなく諦めたりさまざまな事情で他の道に進む大半の人たちに夢自体を切り捨てる必要はないとそっと寄り添ってくれる群像劇。負け続けボクサーを演じた松山ケンイチの笑顔と、やりきれなさを滲ませる背中が最高だった。柄本時生の存在感も大きい。

⑦すばらしき世界
中盤から以降祈るような気持ちで主人公を見つめ気づくといつのまにか泣いていた。生活習慣は徹底的に刑務所で矯正され体に染み込むのに根本的な性格だけは変えることはできないということか。彼がシャバの広い空と引き換えにしたものは何だったのか、ずっと考えている。

➇ 護られなかった者たちへ
震災を境に格差社会の拡大と形骸化しつつある生活保護のありかた、欺瞞的自助共助などを直球で描いた作品。綺麗ごとや正論を言ってみても当事者の苦しみや憤りを理解できるはずがなく、やり場のない感情がもたらす展開に暫し言葉を失った。

⑨哀愁しんでれら
愚直な性格ゆえ真っすぐに突き進むことしかできないヒロイン像は土屋太鳳のイメージにぴったりで彼女の演技としなやかな身体の動きを見るだけで十分に元をとれる作品。優しさは狂気、正義は刃、幸と不幸は紙一重的な地獄観も良かった。

⑩先生、私の隣に座っていただけませんか?
妻の手のひらで踊らされ最後にとどめを刺される不倫夫の悲喜劇。口角はいつも上がっているのに冷ややかな目をして決して心の内を見せない妻に黒木華、器の小ささと色気のバランスが絶妙な夫に柄本佑。火花を散らす二人の演技は必見。

【外国語映画】
①イン・ザ・ハイツ
ミュージカル最高!あっという間の2時間半。群舞シーンを観ると自然に涙が零れる体質だが、この作品でも胸いっぱいにあふれる高揚感でいつのまにか泣いていた。米国マイノリティ社会の決して甘くない日常を織り交ぜつつ猛暑も吹き飛ばす人々のエネルギーは力をもらえる。

②ノマドランド
喪失体験を経てノマドとして生きることを選択した覚悟、強さ、厳しさを表情と佇まいで表現したフランシス・マクドーマンドの美しさときたら。ともすればエモーショナルに寄ってしまうギリギリなところを彼女の演技が押しとどめる。私にはまだ覚悟や強さは無いが少し背中を押されたような気がした。
③ Mr.ノーバディ
退屈な日常にうんざりしていたこのオッサンは実は自分をキレさせてくれる相手を待っていたのかも。いったんスイッチが入ると水を得た魚のようにイキイキと楽しそうなのが実に良い。適度に殴られほどほどに痛がって血まみれになるのも人間臭くて大変良かった。音楽の使い方もグッド。
④プロミシング・ヤング・ウーマン
二人の女性の関係性もあの時何が起きたのかもはっきりと描かれていない。それでもニーナの苦しみ、残された者のくやしさや心の底から湧き上がる怒りも女性なら想像できると思う。罪なき傍観者の罪深さなど、単なる復讐譚ではない描き方に現代的なものを感じた。

⑤グレート・インディアン・キッチン
終盤ヒロインの行動に溜飲を下げた気分になれないのは決して問題解決にはなってなくて、因習や人間関係がある限り世界中どこでもあり得る普遍的な問題だからなのだろう。もし排水管が壊れなかったら、もし早々に修理されていたら、彼女もあそこまでの行動はしなかったと思う。あの排水はあふれ出す彼女の憤りと怒り。

⑥ミッション・マンガル
女性科学者たちが日常生活から思いつく節約アイディアや発想の転換など科学的根拠云々というより最終的にはこうした人間力の積み重ねが成功に結びつくのだろうと納得させられるのはやはり凄い。「夢は寝ている間に見るものではなく、寝させないためにある」は名言。

⑦MINAMATA-ミナマタ
邦画として日本で作られるべきだった傑作。有名な「入浴する智子と母」の撮影風景シーンと実物の作品が重なった時、1枚の写真が持つパワーに打ちのめされ涙が零れた。水俣問題は過去のものではなく、今も続いていて決して他人ごとではないことを改めて実感。

➇オールド
時間とは経験と記憶を積み重ねるためのツールなのかもしれない。人生で一番感受性豊かな青春時代を失いいきなり老後の入口に立たされた彼らのこれからのことを考えると胸が締め付けられる。時間を浪費するだけで何もせずただ息をしているだけの人々への警告と感じて震撼。

⑨TOVE/トーベ
芸術をめぐって確執があった父親から離れ、爆撃でボロボロの部屋を自分の手だけで改装していくヒロインの姿に胸が熱くなった。アトス・ヴィルタネンとの男女を超えたお互いの生き方を尊重する関係がとても素敵だった。ままならぬ人生を紫煙をくゆらせ酒を飲み踊って晴らそう。

⑩最後の決闘裁判
女を所有物化する男二人の薄っぺらな自尊心と見栄と嘘に対し、沈黙することなく毅然と立ち上がった女性の生きざまを描いた作品。役者たちの凄み溢れる演技を堪能。ただひっかかるのはレイプシーンを繰り返し入れる必要があったかということ。こういう問題は真実であるか否かというより彼女を信じることが一番大切なのではないか。