遅くなりました「2018年お気に入り映画」by佐伯

「すっかり遅くなって」と届いたメールにベストテンが並んでいました。
『バーフバリ』に熱いコメントをくださったと佐伯さまより。DVDで発売されたのも多いですね。
寄せられたベストテンは、レンタルや配信でご覧になるときの参考になります。
好みが似ているなと思われたら未見の作品をぜひ。

【日本映画】
万引き家族
カメラを止めるな!
勝手にふるえてろ
ちはやふる 結び
止められるか、俺たちを
SUNNY 強い気持ち・強い愛
焼肉ドラゴン
ペンギンハイウェイ
リズと青い鳥
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【外国映画】
バーフバリ 王の凱旋
スリー・ビルボード
ボヘミアン・ラプソディ
ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
15時17分、パリ行き
バッド・ジーニアス 危険な天才たち
恐怖の報酬(1977) オリジナル完全版
メアリーの総て
ブリグズビー・ベア
女は二度決断する
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【選外だけどお気に入り】
タクシー運転手
セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!
アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
スターリンの葬送狂騒曲
レディ・プレイヤー1
いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち

2018年 マイ・シネマ・ベスト10! 飯田 眞由美

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春になりました。今年もマイ・シネマ・ベスト10をご報告できることに幸せを感じます。
さて、さっそく第10位から。『スリー・ビルボード』喪失感を乗り越える形は色々。越えられず潰れてしまう者も多い。悲しみと怒り、負のエネルギーが生きる力になると、フランシス・マクドーマンドの演技が示した作品。
 第9位には『万引き家族』。映画のラストシーン。実の親から虐待を受けていた女の子は、結局、元に戻されてしまう。やはり虐待が再燃し始めたと分かる場面。悲しみと諦めを秘めた瞳に観客は無力感を味わう。と、映画を観た後日、円満な家庭を描くテレビCMに引き付けられた。無邪気な笑顔の女の子、これぞ幸せといった画。子役は『万引き家族』のあの女の子だった。安藤サクラより樹木希林よりも舌をまく演技力は、この子役佐々木みゆちゃんにあると実感した瞬間だった、という後日談も。全ての演技者の上手さと、それを引き出した監督の技量を感服。
 第8位は『1987、ある闘いの真実』。正義を求める映画は、どこの国いつの時代でも感動を生む。韓国映画のファンでなくても、知っている顔の男優さんがいっぱい。こういう映画、日本ではしばらく作られていないなと思う。
 第7位には『シェイプ・オブ・ウォーター』を。自分自身がリスペクトされているという実感は、生きる力の源になる。たとえそれが人間ではない生物からのものだとしても。
 第6位『search/サーチ』第5位『グッド・ネイバー』第4位『カメラを止めるな』は、どれも伏線探しにもう一度観たくなる作品。『カメ止め』は低予算で作られたのにリピーター続出で社会現象になったのは周知の話。『search/サーチ』は最初から最後までパソコンの画面の中で物語が進む、密室よりさらに狭い空間が舞台。映画のスクリーンにパソコンのスクリーン。DVDが出たらパソコンで観たら尚いいかもと思った。『グッド・ネイバー』(TV放映)は、なかなかのどんでん返し物。この3本、脚本が上手いと金を掛けなくても面白い物は面白いと証明している。
 第3位『私はマリア・カラス』原題のMaria by Callasが言うように、全てマリア・カラスが自身のことを語ったドキュメンタリー映画。いつもアンコールで歌うという曲は、私の大好きな「私のおとうさん」。それもあって第3位に。
 第2位は『ボヘミアン・ラプソディー』。高校生の頃にタイムスリップ。人種、移民、同性愛やエイズ。映画が描く差別は表面的と言う人もいるけれど、こんなに引き込まれる音楽映画に会えて満足。それにしてもブライアン・メイは本人の出演かと思うほどそっくりでしたよね。
 そして第1位は『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』。当然だが、映画は映像が伝達手段だ。そこに映る者や物、動きに意味がある。それは存在しないことに気づく作業でもある。『フロリダ・プロジェクト』が是枝作品の『誰も知らない』に通じる印象は、父という責任を負う人間の不在だ。無秩序な母だけに糾弾の弓が放たれる。子が生まれる機序に関係しても育てるに至らない男の不実は映像にないから見えない。『フロリダ・・』には、ウィレム・デフォー演じる善良な宿の管理人がいて、それで男に免罪符を与えている。いかにもアメリカ的良心とミソジニーに溢れているではないか。そんな沢山の思いを引き出してくれた、手応え十分の作品。ふー、10本に絞るって難しい!

2018年の10本を選んでみました!! スタッフ・千

もう今年も三月になりそうなのに、いまさら遅くて失礼します… 去年はdvd,オンライン,映画館などなどで観た本数は62本でした。去年は引っ越しもあったので、そんな中、息抜きに映画を観に行ったりして、いそがしくしながらも楽しく鑑賞できました。本数が少ないので順位ではなく観た順で10本です☆

1.jpg(C)疾走プロダクション

『ニッポン国VS泉南石綿村』 10代の時からずっと追いかけてます原一男監督。の最新作。215分とゆう長時間なのに時間を感じさせない、どんどん引き込まれるドキュメンタリー映画でした。編集うまいなあ。


2.jpg(C)2017 SHOWBOX AND THE LAMP. ALL RIGHTS RESERVED.

『タクシー運転手 約束は海を越えて』 1980年5月に韓国で起こった光州事件の映画。私自身、生まれてはいたものの小さすぎて、そんな事件があったことなんて知らなかったので、衝撃でした。この光州事件を扱った映画は他にも何本かあるらしいので、とても観たい知りたい。


3.jpg(C)TBSテレビ

『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』 沖縄県那覇市の映画館「桜坂劇場」で観ました!! オキナワの映画館で、この作品を観たこと一生忘れられません。このあと市内にあるカメジローさんの記念館も訪れました。また行きたい。


4.jpg(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』 うまく言葉が話せないシノチャン。私の姪っ子も失語症だったし、私も小学生の時、上手く話せなくて登校拒否をしたことがあったので、シノチャンの気持ちわかります。言葉が上手くなくても音楽や別の手段で表現できることを知った時、私は立ち直れたんだった。


5.jpg(C)2014 Honto Production Huayi Brothers Media Ltd. Oriental Digital Entertainment Co., Ltd. 1 Production Film Co. CatchPlay, Inc. Abico Film Co., Ltd All Rights Reserved

『軍中楽園』 1969年、台湾に実在しながら公然の秘密となっていた娼館が舞台。私が生まれる前の出来事なので知る由も無しと言うか、隠されていた歴史なのだから、ほとんどのひと達が知らないワケで… エロがドロドロしていなくて大らかで、美しい台湾の風景にも癒される。


6.jpg(C)コマプレス

『60万回のトライ』 私の地元・埼玉大宮に昔からある朝鮮学校で、この映画の自主上映会があると御案内をいただき、生まれて初めて朝鮮学校の中に入りました。ご案内をくれたエンテツさんのblogはコチラ
http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/


7.jpg(C)日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会センター事業団

『Workers 被災地に起つ』 働くって何だろう、仕事って何だろうって私もずっと考え悩んでいて、そんな時に転職して幸いに私は自分を活かせる仕事をし、お給料を貰えるようになったけど… それでもまだ仕事に対する疑問は多い。ワーカーズコープは働くことに対しての、ひとつの大きな希望だ!!!


8.jpg(C)ENBUゼミナール

『カメラを止めるな!』 去年、大大ヒットした映画。予算が少なくてもアイデア次第で、ここまで面白い作品がつくれることに感動したし、私は上野PARCOのシネコンへ観に行って、お隣に座っていたカップルが「映画って、こうゆう風にして作られているんだね」とかとか、場内では笑い声も沸き、久々に映画館で映画を観る体験の素晴らしさを味わった。


9.jpg(C)OFFICE TETSU SHIRATORI

『リーディング エドガー・ケイシーが遺した、人類の道筋。』 アメリカに実在したエドガー・ケイシーのドキュメンタリー。どうしても見たくて神奈川県本厚木で開催された自主上映会まで観に行きました。もう1回、観たい!!!


10.jpg(C)2018 Koichi Onishi

『津軽のカマリ』 津軽三味線の巨星・高橋竹山(初代)のドキュメンタリー。私が産まれた時からずっと一緒に暮らしていた父方の祖母は民謡家で、もちろん三味線も弾いていたので竹山先生のお名前は知っていたけど、こんな凄いひとだったなんて!! 鳥と話したり。 私も小さい頃は鳥が友達で、お話できていたのに、どうして、いつから 話せなくなってしまったんだろう…。

 総括:振り返ると去年も色んな映画を観たんだなあと。。やっぱり心に残っている作品はおもにドキュメンタリーや実話をもとにした映画が私は多い、笑 (千)


2018年ベストテン  菅沼正子

外国映画編
毎年同じことを言ってるような気がするが、商業映画として1年間に公開される作品は、外国映画・日本映画合わせると1200本ほどある。その中で私はどのような基準で見る映画と見ない映画を振り分けるかは、タイトルで決める。タイトルは作品の<顔>なのであると私は思う。それでも公開作品の1割ほどを見るのが精一杯。その中で10本を選び出すのはとても難しい。独断と偏見ではあるが、映画を見たときの感動の持続がどのくらい続いているかが鍵かもしれない。
10に入れられなくても充分にいい映画はたくさんある。あくまでも私の好みの映画ということである。


1 スリー・ビルボード
2 顔たち、ところどころ
3 アリー/スター誕生
4 15時17分、パリ行き
5 ファントム・スレッド
6 シェイプ・オブ・ウォーター
7 家へ帰ろう
8 判決、ふたつの希望
9 ボヘミアン・ラプソディ
10 君の名前で僕を呼んで
次点 輝ける人生

1、スリー・ビルボード
愛娘を殺された母親の怒りと悲しみ。何か月も犯人逮捕できない警察の無能に、3枚のビルボード(広告板)で母親の挑戦が始まる。ブラックユーモア満載なのに鑑賞後は涙腺が緩む。主人公の精神的強さ、たくましさ、こういう女性像を演じたらフランシス・マクドーマンドはNo1。2個めのアカデミー賞主演女優賞受賞。

2、顔たち、ところどころ
女性監督の先駆者的存在のアニェス・ヴァルダはもう89歳(制作時)。カメラマンのJR(ジェイアール)とアポなしの旅先で出会った人々の大きなポートレートを撮って、屋外のところどころに貼り出すという映画。これはもう映画というよりアートにまで昇華させた斬新な発想の傑作。被写体はみな自然体で誇らしげに生きた証を刻んでいる。お婆ちゃんと孫ほどの年齢差の旅だが、他人を思いやる2人の視線は実に暖かい。「顔」を複数形にしたタイトルもユニークな発想。

3、アリー/スター誕生
スター誕生の原点的ストーリーとして何回となく映画化されている。人気スターに見初められた名もない歌手が、スター街道まっしぐらに駆け上っていく。その一方、彼の人気は下り坂を転げ落ちるようにして悲惨な最期を遂げるというストーリー。映画初出演にして主役のレディー・ガガの心震える圧巻の熱演が見もの。ガガの書き下ろし楽曲は19曲もあり、エモーショナルな歌声もたっぷり聴ける。

4、15時17分、パリ行き
俳優・監督・プロデューサーである映画界の巨匠クリント・イーストウッド製作・監督作品。実際に起こったテロ事件の映画化。2015年8月21日、アムステルダム発パリ行きの高速列車がフランス領に入ると、列車内でテロ事件発生。勇敢にも犯人に立ち向かったのは、列車に乗り合わせていた普通の仲良し3人組のアメリカ人。映画の中では彼らが抜擢されて主役の3人組を演じている。”当事者本人”の出演で究極のリアリティ・サスペンスになった。

5、ファントム・スレッド
1950年代のロンドン。主人公は社交界からも脚光を浴びるオートクチュールのデザイナー。彼はウェイトレスに恋をして、彼女をミューズとして自宅の工房に迎え入れたことで、運命の糸は思わぬ方向へ2人を導いていく。タイトルは原題(Phantom Thread)そのままだが訳せば<幻の糸>のこと。豪華な家具調度、超一流のファッション、美しい映像。映画の世界とはいえ、ハイ・ソサエティの社会に身を置いて気分はリッチなはずだが、ちりばめられたサスペンスに、思わず……。さすが!

6、シェイプ・オブ・ウォーター
不思議なというか、奇妙な感覚の映画。ティム・バートンに似たような作風。これぞ究極の純愛映画。政府の極秘研究所の清掃員イライザは、実験材料にされる水槽の中の半漁人を見た。胸が痛む、と同時に親近感が湧く。病のため声が出せない彼女は手話でのコミュニケーション。命がけで半漁人を救い出して……。メキシコの奇才ギレルモ・デル・トロ監督作で、昨年のアカデミー賞で作品賞・監督賞受賞。トム・ハンクスが人魚に恋する『スプラッシュ』(1984年作品)をもう一度見たくなった。

7、家へ帰ろう
主人公は88歳の老人。人生でやり残したことは、親友だった幼なじみのために仕立てたスーツを届けること。アルゼンチンからポーランドへ。老人の地球半周一人旅がおもしろおかしく語られていくが、その背景にあるのは反戦。ユダヤ人である主人公が、戦時中のホロコーストで故郷ポーランドを脱出できたのは、親友のあの友がかくまってくれたからだ。その恩を忘れず、人生最後のごあいさつということなのだろう。88年もの多難な人生を送った主人公の頑固さに笑いながらも、戦争を知らない若者たちへのメッセージが伝わってくる。「決して戦争をしてはいけない。後悔を繰り返さないでほしい」と。

8、判決、ふたつの希望
ここ数年アメリカ映画の衰退に代わって台頭してきたのが中東の国々で、この作品はレバノン映画。2017年(第90回)アカデミー賞でレバノン作品として初の外国語映画賞にノミネートされた。キリスト教徒のレバノン人男性とパレスチナ難民の男性とのささいな口論に端を発して法廷争いにまでなる。当事者の謝罪だけではすまされなかった複雑な社会情勢が背景にあることがわかる。

9、ボヘミアン・ラプソディ
いまさら私がここであれこれ書くより、ファンの方のほうがずっと詳しいでしょう。
1970~80年代に活躍したイギリスのロックバンド「クイーン」の栄枯盛衰を描く。中心になるのはもちろん、ヴォーカルのフレディ・マーキュリーの壮絶な人生。成功の代償はドラッグとエイズ。愛と孤独の中で人生を完全燃焼させたフレディ。ラスト21分のライブ・エイドはファンでなくても大感動。

10、君の名前で僕を呼んで
恋を知った少年の喜びと痛みを描く。ジェントルな香りが匂い立つすばらしい青春映画。原作はいわゆるBL(ボーイズラブ)文学といわれているが、『モーリス』(1987年)のジェームズ・アイヴォリーの脚色で、芸術性が高い。「一心同体になりたい」ほどの愛を込めたタイトルも文学的。少年を演じたティモシー・シャラメは、まもなく公開の『ビューティフル・ボーイ』で麻薬に溺れていく少年を演じるから、……怖い。相手役のアーミー・ハマーは全然お固い映画『ビリーブ 未来への大逆転』がある。

日本映画は年々レベルアップしていくのがうれしい。それにしても私の観る日本映画は、外国映画の3分の1程なのだから、順位などにはこだわらず、好きな作品を列挙しておく。
『空飛ぶタイヤ』、『万引き家族』、『終わった人』、『かぞくいろ』、『生きているだけで、愛。』、『モリのいる場所』、『銃』、『嘘八百』、『教誨師』、『体操しようよ』、『羊の木』、『食べる女』、『ハナレイ・ベイ』などなど。

2018年ベスト映画  米原弘子

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(C)2017 Twentieth Century Fox

昨年映画館で鑑賞した123本の中から邦画、洋画10本ずつ選出。

【邦 画】
『菊とギロチン』
女性蔑視、貧困、差別、右傾化と、大震災後溜まりに溜まっていた膿が吹き出すように表出する日本の暗部。現代とシンクロする物語の舞台は大正末期。そんな時代の閉塞感を突き破るエネルギーを3時間浴びまくり熱に浮かされたようになってしまった。凄いとしかいいようがない。本年度の邦画ベスト1作品。
『きみの鳥はうたえる』
ただ流れているだけの無為な時間でも確実に人と周囲を変え、先の見えない未来へと背中を押す。その後が語られないラストシーンは時が永遠に封じ込まれたかのような不思議な余韻があった。柄本佑、染谷将太、石橋静河がそれぞれ大好演。特に包容力と儚さを体現する石橋が魅力的で彼女が歌う「オリビアを聴きながら」に胸を掴まれた。カメラワークもユニーク。
『寝ても覚めても』
冒頭の不穏に満ちた二人の出会いから物語に引きずり込まれ、恋愛という名の究極のエゴを見せつけられ、後半、愛した男と同じ顔を持つ男をひたすら追いかける女のロングショットで完全にノックアウト。はぁ恐れ入りました。濱口監督の商業映画デビュー作は忘れられないものになった。
『blank13』
借金を残したまま失踪した父親との13年ぶりの再会と家族の再生の物語で70分の尺ながら丁寧に作られた良作。父親の素顔が明かされる葬儀シーンが役者達のアドリブというから驚き。父親が一人の人間としていろいろな側面があることを理解することが子の成長ということか。斎藤工監督の次作も期待。
『カメラを止めるな!』
無事ネタバレ回避して観ることができた。これは大ヒットしますね。面白かった。なんといっても劇場内に笑い声がシンクロし、上映後あちらこちらから「面白かったねー」の声が聞こえるって最高の映画体験ではないですか。この映画は3回観に行ってしまった。役者はみな個性的でその中でもひときわ目を引く竹原芳子さん。この作品が映画デビュー作と聞いてびっくり。
『恋は雨上がりのように』
年齢に関係なく一つの出会いがもたらす心の変化と一歩前へ踏み出す勇気。決して中年男性と女子高校生の恋愛ものではない。登場人物誰もが真っ当に日々生活している真っ当な人たちで、ストレスなく鑑賞でき笑いもあって爽快感でいっぱいに。小松菜奈の存在感がすごく彼女がいるだけで場が一転、菜奈色に染まる。青空をバックに彼女が凛と立つ姿は鳥肌ものだった。
『斬、』
平和の世を守るという大義名分が狂気と破壊へと変わる恐ろしさ。壮大で美しい自然の中で人だけが人を傷つけ血を流し苦しみに喘いでいるその愚かしさ。音楽は依頼していた石川忠さんが亡くなり、CDや石川さんの自宅にあった曲の断片を張り付けて編集したと塚本監督が舞台挨拶でおっしゃっていた。素晴らしかった。
『散り椿』
これぞ日本映画の神髄、時代劇における圧倒的様式美を堪能。雪の中の、まるで墨絵のような画面に浮かび上がる殺陣シーンが美しくそして本当に凄かった。色気ダダ漏れの岡田准一が三船敏郎と重なって見えてしまったのは私だけでないはず。良い役者だなぁ。年齢を重ねた今後が楽しみ。長生きしよう。
『友罪』
罪を犯した者が幸せになることは許されるのか否か、許されるとしたら罪の度合いで線引きされるのか否か。答えなんてないことはわかっているが、昨年身近な場所で起きた事件と重ねてしまい決して他人事ではない話だと様々な思いがこみ上げてしまった。作り手、役者の真摯さ、熱意が伝わる作品。
『止められるか、俺たちを』
60年代後半、若松プロに集まった映画人たち。「何者かになりたい」という凄まじい熱量で駆け抜けた一人の若い女性にスポットを当てることで普遍的な青春物語となっている。あの有名人がこういう風に繋がっていたのかと興味津々。門脇麦、井浦新がさすがの上手さ。

【洋 画】
『スリー・ビルボード』
鑑賞後、言葉にならないほど心が乱れる。たかが広告されど広告。3枚のビルボードの裏で暴かれる人間の本質。醜く汚く自分勝手でそして耐え難い後悔や闇を抱えながら、これから先は他者からの微かな優しさを受けてどうにかこうにか歩み寄って生きていくのが人間。洋画ベスト1映画。
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
オープニングで使われたCelebrationで心を鷲掴みされる。どんな状況下でも毎日が冒険でマジカルでセレブレーションに満ちている子供たちの生活。大人が泣く瞬間がわかる彼らを守れるのは大人だけなのだ。タバコに火を点けると廊下の照明が灯る。誰の周りにも奇跡はある。
『パディントン2』
ちょうど観た日が大寒波だったのだが身も心もほっこり温まった。優しさや親切が我がことのように身に沁み涙がこぼれる。愛らしき熊と互角に渡り合う、むしろ喰ってしまったヒュー・グラントの素晴らしさ。あのミュージカル見せられたら惚れるしかない。マーマレード手作りしたくなる。結局人を救うのは他者からの思いやりや優しさしかない、ということ。
『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』
ミュージカル大好き人間にとっては最高な作品。どこからともなく人が湧いてきて始まる群舞、流れるダンシング・クイーンにこちらの気持ちも最高潮に。私も端っこの端で手拍子するだけでいいからダンスに参加したかった。ミュージカルの醍醐味をあますところなく堪能。若き日を演じたリリー・ジェームスの内側からほとばしる生命力に圧倒される。
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
思い決断を下さねばならないケイの苦悩を一番理解していたのが周りの男たちではなく同じ女性だったということに胸が熱くなってしまった。法廷を後にする彼女を敬意をもって見つめる女性たち。彼女らがこれからの社会を作っていくという希望。最高の女性映画。
『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』
誰もが幸せな気持ちに満たされる一本。観終わった後しばらくニコニコが止まらなかった。人間は互いに対等である、外見ではなく相手の本質を見る、そして決して自分を見捨てない。一度しかない人生を悔いなく生きる上で大切なことを笑いと役者たちの達者な演技で見せる。最高。
『オンリー・ザ・ブレイブ』
時間潰しで観た作品だったがこれが最高だった。一つ一つ重量感ある装具品が大きなバッグに収められていく冒頭場面でこれから向かう世界の過酷さがうかがえ震える。ラストがどうなるか知らなかったのもあるが死亡フラグに怯え、とにかくみんな無事にいて!!の思いが交錯し途中ヘトヘトになってしまった。最後は唖然茫然。
『ウインド・リバー』
肺が潰れるほどの極寒の地へ追い込まれている先住民がいまだ存在するという現実に戦慄。知らなかった。すべてを覆い隠すように広がる寒々とした空と白い雪世界。薬物、治安悪化など負の連鎖の犠牲となる女性たち。しんどい、が、微かに希望がもてるラストに救われる。
『判決、ふたつの希望』
レバノンにおけるパレスチナ難民問題。一人の人間として向き合えば解決できることも国家や人種、宗教が絡むとどんどん問題が肥大化していく様は普遍性がある。裁判ものは血圧急上昇する恐れがあり好んでは観ないのだがこの作品は社会派エンタメとして面白かった。多くの人に観てもらいたい。
『ビューティフル・デイ』
台詞は最小限、絶望が、苦しみが、やりきれないもどかしさと共に波のように襲いかかる。人一倍純粋でありながら闇に絡めとられもがき続ける主人公をホアキン・フェニックスが大好演。チェ・ミンシクと双璧をなすハンマーが似合う男。大人になったらロザムンド・パイク系美女になりそうなニーナ役のエカテリーナ・サムソノフちゃんの可愛さと存在感で将来大物になる予感。