ニューヨークのメトロポリタン歌劇場での公演は『Metropolitan Opera Live in HD』として、世界中に中継配信しています。
日本では数週間遅れて東劇をはじめ、各地の劇場での上映です。
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https://www.shochiku.co.jp/met/
2024-25シーズン演目はあと二つです。
●R・シュトラウス《サロメ》
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン
演出:クラウス・グート
出演:エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァー、ミシェル・デ・ヤング、ゲルハルド・ジーゲル、ピョートル・ブシェフスキ、ペーター・マッテイ
紀元36年ごろのシリア(本演出ではヴィクトリア朝時代)。キリストの到来を予言したヨカナーン(新約聖書の「洗礼者ヨハネ」)は、王ヘロデが兄弟の妻ヘロディアスを奪って結婚したことを非難した罪で投獄されている。ヘロディアスの連れ子サロメは、獄中から聞こえるヨカナーンの声に惹かれ、彼を牢から出させて面会し、ヨカナーンの虜になってしまうが、激しく拒まれる。ヨカナーンへの欲望に取りつかれたサロメは、自分に気があるヘロデの求めに応じて踊り、褒美に「ヨカナーンの首」を所望する。ヘロデは震え上がるが、約束を破るわけにはいかない。銀の盆に載せたヨカナーンの首を手に入れたサロメは、その唇に接吻する。恐れをなしたヘロデは…。
上映時間:約2時間3分(休憩なし)
MET上演日:2025/5/17
言語:ドイツ語
★上映期間:2025年6月27日(金)~7月3日(木)
※東劇のみ7/10(木)までの2週上映
●ロッシーニ《セヴィリャの理髪師》
指揮:ジャコモ・サグリパンティ
演出:バートレット・シャー
出演:ジャック・スワンソン、アイグル・アクメトチナ、アンドレイ・ジリカウスキ、ピーター・カルマン、アレクサンダー・ヴィノグラドフ
18世紀のスペイン、セヴィリャ。プラドで見初めた町娘ロジーナを追ってやってきたアルマヴィーヴァ伯爵は、彼女が後見人のバルトロの家で籠の鳥状態になっていることを知る。町の名物男で理髪師をやっている旧知のフィガロと再会した伯爵は、フィガロを相棒にロジーナを助け出そうと決心。フィガロのアドヴァイスに従い、伯爵は酔っぱらいの兵隊や音楽教師に変装してバルトロ家に潜り込むが・・・。
上映時間:3時間22分(休憩1回)
MET上演日:2025/5/31
言語:イタリア語
★上映期間:2025年7月11日(金)~7月17日(木)
※東劇のみ7/24(木)までの2週上映
上映中のR・シュトラウス《サロメ》を鑑賞。よく絵画の題材になっている「サロメ」ですが、オスカー・ワイルドの戯曲は内容が不道徳であるとして上演が禁止されたそうです。ピアズリーの挿画は目にした方多いですよね。
新解釈のバートレット・シャー演出では、成長するサロメが7人登場します。美しく育った少女サロメは自分が男たちの目を引き付けるのをよく知っています。聖者ヨカナーン(聖ヨハネ)に恋したサロメは、激しい欲望を抱きますが一瞥だにされず、狂気にかられていきます。薄暗い牢で、ヨカナーンの首のない身体を抱き、青白い首に口づけするサロメの姿は凄絶です。白いドレスやサロメの顔が血に染まっていき、歌声はさらに高く狂おしくなります。こんなにスプラッターだったとは。
METライブビューイングでは、豪華絢爛な舞台でのスター歌手の歌声を聴けるうえ、舞台裏やキャストの紹介もあります。カーテンコール後、サロメを演じたエルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァーが上気した顔で喜びを語っていました。お互いに讃えあうキャスト、スタッフたちに思わず拍手。
次週からの《セヴィリャの理髪師》は軽快なコメディで、実は上映済の《フィガロの結婚》と続いているお話。単独でも面白いので、オペラ体験にお勧めです。(白)
★シネマ歌舞伎★
映画『国宝』が大ヒット上映中ですね。これまで観なかった歌舞伎に興味を持った方にお勧めなのが松竹のシネマ歌舞伎です。
もちろん歌舞伎座で生の舞台をご覧になるのが一番ですが、東劇をはじめ全国の映画館などで鑑賞できるのが嬉しい。
https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/
月イチ歌舞伎の3枚セットチケットでさらにお得(私は専らこちら)
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