2024年ベスト10本です (スタッフ・千)

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映画館、映画祭、オンラインなど… 今年は64本の映画鑑賞でした。本数は少ないですが、心に残る作品が多かったので、10本を選ぶのに悩みました。順位ではなく、観た順で10本です。

『加恵、女の子でしょ!』 出光真子監督 
国立映画アーカイブで企画特集された「日本の女性映画人(2)」で観ました。芸術家カップルの悲劇と言うか、女性アーティストが犠牲になる物語… 天下の出光興産のお嬢様(出光真子監督)も、家父長制の犠牲になっていることが伝わってきて、じわじわ泣けてきました…。他の出光監督作品にも胸を打たれました。

『倭文 旅するカジの木』 北村皆雄監督 2024年5月劇場公開
諏訪大社の神紋にもなっている「梶」の木を巡るドキュメンタリー。実は私の実家の家紋も「梶」なんです。小さい頃、それは諏訪大社に関係しているからと亡き父に聞かされていたので、こちらの作品には興味津々。何故、紋が「梶」なのか? の追究はありませんでしたが、衣服のルーツだということがわかりました。衣・食・住のうち、やはりトップにくる「衣」も大切なんだと改めて思わされました。

『関心領域』 ジョナサン・グレイザー監督 2024年5月劇場公開
東京の映画館、ヒューマントラスト渋谷で観て来ました。第76回カンヌ映画祭、コンペ部門でグランプリ作品なだけあって、さすがの一品です。アウシュヴィッツが舞台ですが、そのホロコースト現場はほとんど登場せず… 想像力が膨らみ、コワイ…。原案になった小説も読んでみたいです。

『方舟にのって イエスの方舟45年目の真実』 佐井大紀監督 2024年7月劇場公開
1980年、宗教法人「イエスの方舟」誘拐事件がニュースになったそうです。私、生まれていますが小さくて、ほとんど覚えていませんし、佐井監督は生まれていないそうです、苦笑。なのに、この事件に興味を持ち映画化。本業はTBSテレビ局の社員である監督の特権?!! で、当時、TBSが撮っていた昔の貴重な映像も垣間見られます。

『チューリップちゃん』 渡辺咲樹監督
私のふるさと埼玉県。その県南に位置する川口市で21年続いている「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」2024年の国内コンペ短編部門でジャパンプレミア上映されたアニメ『チューリップちゃん』、恥ずかしくなるほど涙を流してしまいました。なんと監督の渡辺咲樹さん、ご実家が私の現在住んでいるアパートの近く!! 取材が叶って、いろいろお話しできましたので、それは本誌最新号に書く予定です。

『どぶろくの辰』 田坂具隆監督
国立映画アーカイブの企画「没後50年 映画監督/田坂具隆」で観ました(エイアカで映画鑑賞が多いのはチケット料金が安いからです、苦笑) 広島で被曝した田坂監督、これぞヒューマニズム映画!! 生きるチカラを貰えた気分です。観終わったあと拍手喝采しました、心の中で。

『雪国』 大庭秀雄監督 
2024年から宮城県仙台市のNPOせんだい映画資料室の会員になりました。その資料室で鑑賞。川端康成の原作を映画化、白黒作品ですが岩下志麻の色気、加賀まりこの可愛らしさにも感動。
資料室は一般のかたでも入室可能です、ぜひ!!

『侍タイムスリッパー』 安田淳一監督 2024年8月劇場公開
MOVIX仙台で観て来ました。自主制作映画で、当初は池袋のシネマ・ロサのみで上映、どんどん口コミで広がり、ギャガが配給につき全国公開になり、仙台市でも観れました、うれしい。タイトル通り、お侍さんが現代にタイムスリップするストーリーですが、それだけじゃない、熱い時代劇でした。

『スユチョン』 ホン・サンス監督 2024年韓国
数年ぶりに参加できた東京フィルメックス映画祭、その特別招待作品で上映されました。ホン・サンス監督のパートナーでもある女優、キム・ミニ主演。この作品でキム・ミニはロカルノ映画祭では主演女優賞を受賞。ホン・サンス作品、私には難解で苦手意識を持っていましたが、この作品は大好きになりました。

『ひまわり』 ビットリ・デ・シーカ監督
ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ主演の名作。第二次世界大戦で引き裂かれた夫婦の悲劇… 戦争反対!! あらためてじっくり観たのですが、途中で原発も出てきていた… 再稼働反対!!

2025年の新年を迎えて、こんどは九州のほうで地震… 
津波警報もあり心配です… どうか、ご無事でありますように。
今年の目標は目指せ映画鑑賞100本です。 (仙台市民、千)

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