期間:2024年3月16 日(土)~3月29日(金)
会場:ユーロスペース 公式HP:http://www.eurospace.co.jp
上映スケジュール:http://www.eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000764
主催:ユーロスペース/共催:トリクスタ/ライトフィルム
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
上映協力:(五十音順)シネマトリックス、松竹、東京テアトル、東北新社、トランスフォーマー、パンドラ、ビターズ・エンド、ロングライド
東京を異なる視点から見つめる
いつの時代も人々を惹きつけてやまない東京/TOKYO。洋の東西を問わず、この街に魅せられた多くの映像作家たちが東京を舞台にバラエティに富んだ作品を生み出してき ました。あらゆるものを貪欲に取り込み、変化し続ける東京は元来、多様性を体現してきた街でもあります。映画の中で東京/TOKYOという街が被写体・背景としてどのように 描かれてきたのかを改めて見つめることは、街の魅力を再発見すると共に、東京で暮らし、あるいは憧れを抱いてきた自らを見つめ直すことにも繋がるのではないでしょう か。“文化の坩堝”とも称される渋谷の地で、世界中の映画を上映し続けてきた日本で最も長い歴史を誇る独立系映画館のスクリーンに、いつかの自分を見つけてみませんか。
*上映作品*
『IGUANA TOKYO ―イグアナ トウキョウ―』 原題:IGUANA TOKYO
監督:カアン・ミュジデジ
出演:エルタン・サバーン、サーデー・アクソイ、デニス・ウルクほか
2022年/74分/トルコ・日本・ドイツ合作/配給:トリクスタ
長編デビュー作『シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語』でヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞を受賞したトルコの俊英カアン・ミュジデジが紡ぎ出すサスペンススリラー。東京で幸せに暮らしていたはずの一家が、ゲームを通じてメタヴァースの世界に足を踏み入れたことから奇妙な出来事に巻き込まれ始め、やがて崩壊へと向かうさまをペットのイグアナの視点から巧みに描き出す。
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/502636132.html
『書かれた顔[4Kレストア版]』原題:The Written Face ※2K上映
監督:ダニエル・シュミット
出演:坂東玉三郎、武原はん、杉村春子、大野一雄、蔦清小松朝じ、坂東弥十郎ほか
1995年/94分/日本・スイス合作/配給:ユーロスペース
『ラ・パロマ』など退廃的な映像美で映画ファンのみならず多くの映像作家をも魅了したスイス人監督ダニエル・シュミットが当代きっての女形・坂東玉三郎に迫った1995年公開の映画の4Kレストア版。現実と虚構を織り交ぜた構成で、古典舞踊家の武原はん、女優の杉村春子、舞踏家の大野一雄、映画製作時101歳で日本最高齢の芸者だった蔦清小松朝じも出演しており、フィクションパートでは青山真治が助監督を務めている。
『神々の山嶺』原題:LE SOMMET DES DIEUX
監督:パトリック・インバート
原作:「神々の山嶺」作・夢枕獏 画・谷口ジロー(集英社刊)
日本語吹き替えキャスト:堀内賢雄、大塚明夫、逢坂良太、今井麻美/吹替翻訳:光瀬憲子
2021年/94分/フランス・ルクセンブルグ合作/配給:ロングライド、東京テアトル
「孤独のグルメ」などの傑作漫画で知られ、2017年にこの世を去った漫画家・谷口ジローが夢枕獏のベストセラー山岳小説を漫画化した『神々の山嶺』をフランス映画界でアニメーション化した。「ジョージ・マロリーはエベレスト登頂に成功したのか?」という山岳界の謎に迫りつつ、2人の日本人登山家が過酷なエベレストに挑むさまを描き出す。本国フランスで大ヒットを記録し、セザール賞の長編アニメーション映画賞を受賞した。
http://cinejour2019ikoufilm.seesaa.net/article/489378415.html
『珈琲時光』原題:珈琲時光
監督:ホウ・シャオシェン
出演:一青窈、浅野忠信、萩原聖人、余貴美子、小林稔侍ほか
2003年/103分/日本/配給:松竹
小津安二郎の生誕100年を記念して2003年に製作。『悲情城市』でヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞を受賞した台湾の名匠・侯孝賢が監督・脚本を務め、随所に小津の『東京物語』へのオマージュを散りばめつつ、台湾人の母を持つフリーライター・陽子の日々の暮らしを淡々と描く。2002年に「もらい泣き」でデビューし、本作が公開された2004年には「ハナミズキ」が大ヒットした歌手の一青窈が主人公の陽子役で女優デビューを果たしている。
『二郎は鮨の夢を見る』原題:JIRO DREAMS OF SUSHI
監督:デヴィッド・ゲルブ
出演:小野二郎、小野禎一、小野隆士、山本益博ほか
2011年/82分/アメリカ/英語字幕/配給:トランスフォーマー
銀座の名店「すきやばし次郎」の店主で寿司職人の小野二郎氏に密着したドキュメンタリー。オバマ大統領の来日時の会食の場として使用され、ハリウッドセレブにも多くのファンがいることでも知られる名店「すきやばし次郎」。その店主で「ミシュラン三つ星レストランの最高齢料理長」としてギネス認定もされた二郎の職人としての哲学、師に学び、超えようと精進する2人の息子や弟子たちとの関係性を描き出す。
http://www.cinemajournal.net/review/2013/index.html#jiro_sushi
『TOKYO!』原題:TOKYO
〈インテリア・デザイン〉
監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:藤谷文子、加瀬亮ほか
〈メルド〉
監督:レオス・カラックス
出演:ドゥニ・ラヴァン、ジャン=フランソワ・バルメールほか
〈シェイキング東京〉
監督:ポン・ジュノ
出演:香川照之、蒼井優ほか
2008年/110分/フランス・日本・韓国合作
クリエイティビティあふれる3人の鬼才が東京を舞台に紡ぎ出した3編の物語。ファンタジー(ミシェル・ゴンドリー監督「インテリア・デザイン」)に不条理劇(レオス・カラックス監督「メルド」)、ラブストーリー(ポン・ジュノ監督「シェイキング東京」)と、それぞれの監督の持ち味が存分に発揮されたオムニバスとなっている。エンディングテーマで流れるのは高橋幸宏×細野晴臣×坂本龍一によるHASYMOの「Tokyo Town Pages」。
『TOKYO EYES』原題:Tokyo Eyes
監督:ジャン=ピエール・リモザン
出演:武田真治、吉川ひなの、杉本哲太、水島かおり、大杉漣ほか
1998年/98分/日本・フランス合作/配給:ユーロスペース
世紀末の東京を舞台に、謎めいた発砲事件を起こし続ける青年と彼に惹かれる少女の姿をスタイリッシュな映像と音で描く。フランス人のジャン=ピエール・リモザンが監督を務め、共同脚本に坂元裕二も名を連ねている。カルト的人気を博した「NIGHT HEAD」の武田真治とモデル・女優・歌手の吉川ひなのという、当時絶大な人気を誇っていた2人が主演を務め、事件の鍵を握るヤクザをビートたけしが演じ、渋谷や下北沢でロケが行われた。
『東京画[2Kレストア版]』原題:Tokyo-Ga
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:厚田雄春、笠智衆、ヴェルナー・ヘルツォーク
1985年/92分/西ドイツ・アメリカ合作/配給:東北新社
ヴィム・ヴェンダースが、敬愛する小津安二郎へのオマージュを込めて制作したドキュメンタリー。小津が描いた東京を求めヴェンダースはカメラを回し続ける。竹の子族やパチンコ、ビルの屋上のゴルフ練習場、食品サンプルをつくる工房、東京タワーの展望室、そして笠智衆、小津組の名カメラマン・厚田雄春へのインタビューなどを交えつつ、『東京物語』(1953年)からちょうど30年後の1983年当時、いまから約40年前の東京の風景が映し出される。
『都市とモードのビデオノート』原題:Aufzeichnungen zu Kleidernund Stadten /Notebook on Cities and Clothes
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:山本耀司、ヴィム・ヴェンダース
1989年/81分/西ドイツ・フランス合作/配給:東北新社
『PERFECT DAYS』のヒットも記憶に新しいドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダースが、ポンピドゥーセンター(国立芸術文化センター)の依頼を受けて、ファッションデザイナー・山本耀司の仕事を追いかけたドキュメンタリー。フィルムカメラと8ミリビデオカメラの映像を織り交ぜ、1 9 8 9 年春夏のパリ・コレクションに向けた準備過程を克明に記録すると共にヴェンダースとの対話を通じて山本のファッションや仕事への哲学が語られる。
『不思議なクミコ』原題:Le myst re Koumiko
監督:クリス・マルケル
出演:村岡久美子
1965年/47分/フランス/配給:パンドラ
後世の映像作家に大きな影響を与えた時間と記憶をめぐるS F 短編映画『ラ・ジュテ』で知られる作家、映画監督、写真家、マルチメディアアーティストのクリス・マルケルによる実験的ドキュメンタリー。1 9 6 4 年1 0 月の東京オリンピックで賑わう、高度経済成長のさなかの日本を舞台に、フランス語を学ぶ20代の日本人女性・クミコの姿を追いかける。武満徹の「弦楽のためのレクイエム」が音楽として使用されている。
『ライク・サムワン・イン・ラブ』原題:Like Someone in Love
監督:アッバス・キアロスタミ
出演:奥野匡、高梨臨、加瀬亮ほか
2012年/109分/日本・フランス合作/配給:ユーロスペース
『友だちのうちはどこ?』、『桜桃の味』のイランの巨匠で2016年に76歳で逝去したアッバス・キアロスタミによる人間ドラマで2 0 1 1 年に日本で撮影が行われた。84歳の元大学教授の男性、彼の元に派遣されたデートクラブでアルバイトをする女子大生、彼女の恋人の3人の愛と欲望と嘘が絡み合い、繊細なドラマが綴られていく。映画タイトルと同じジャズ・スタンダード「Like Someone in Love」(エラ・フィッツジェラルド)が劇中でも使用されている。
http://www.cinemajournal.net/review/2012/index.html#likesomeoneinlove
『ロスト・イン・トランスレーション』原題:Lost in Translation
監督:ソフィア・コッポラ
出演:ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン、ジョバンニ・リビシ、アンナ・ファリスほか
2003年/102分/アメリカ/配給:東北新社
『ヴァージン・スーサイズ』に続くソフィア・コッポラの長編2作目で、アカデミー賞脚本賞を受賞した。CM撮影のために東京に滞在中の初老のハリウッド俳優と有名写真家の夫に同伴して東京に来たもののヒマを持て余している若い妻。異国で孤独と虚しさを抱えたアメリカ人男女の心の交流を描く。“異邦人”の視点で切り取られた東京の街並みが印象的。渋谷のスクランブル交差点を世界中に知らしめた作品とも言われる。
[スペシャル・スクリーニング]
(ホームムービー特別上映会)あなたの東京、わたしの東京
家族の記録、地元のお祭り、散歩の風景など、地域や家庭に眠っていた8 mmや16mmフィルムのホームムービーを上映。
商業映画とはまた異なる、市井の作家の私的な視点が捉えた東京の記憶が、あなたに語りかけ、共鳴します。
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