〇PLAN75
〇桜色の風が咲く
〇マイ・スモールランド
〇シン・ウルトラマン
〇ハケンアニメ
次点 恋は光
洋画
〇クライ・マッチョ
〇ドンバス
〇親愛なる同志たちへ
〇オフィサー・アンド・スパイ
〇アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版
次点 君を想い、バスに乗る
©︎MA.JA.DE FICTION / ARTHOUSE TRAFFIC / JBA PRODUCTION / GRANIET FILM / DIGITAL CUBE
ドキュメンタリー映画(洋・邦)
〇地獄
〇キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性
〇ナワリヌイ
〇ZAPPA
〇ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇
次点 サハラのカフェのマリカ
例年通り、今年もベスト5に統一する。とはいえ令和4年の公開作はグレードが高く、心にグサッとくる映画がズラリと並んだ。邦画に『桜色の風が咲く』がスンナリ入っても、『コーダ あいのうた』は次点からも落ちた。素直にベスト10にした方がいいのかと少し悩んだけどね。『桜色の風が咲く』は、あの盲目の男性(札内幸太)が主人公の青年(田中偉登)の自宅をひとり自力で訪ねあてた後で、青年から思いもよらぬ告白を受けるシーンが強烈で、大分前に見たのに、今これを書いている時でさえ、昨日見たかのごとく思い出す。青年の母親を演じた小雪も素晴らしい好演だった。それでも!主演女優賞と男優賞を選ぶなら、倍賞千恵子と磯村勇斗の2人にする。近未来SFサスペンスに主演だなんて倍賞千恵子史上初だろう。びっくりした。
市役所の職員を演じる磯村は、この4,5年彼を見てきた中ではベストの役柄と演技。彼が劇中役所の応接室で20年ぶりに再会する”オジサン”は、誰が見ても人生の岐路に立ってしまった(帰るところを自ら断っていたリアルな)”車虎次郎”である。父親の葬儀にさえ来なかった最悪な伯父に事務的な態度をとれず、クライマックス、研究所から伯父の遺体を強奪して脱出する様は、愚かなる寅次郎の血を引く甥の満男そのものだ。これは早川監督の計算か?
最後に、助演男優賞は、『シン・ウルトラマン』の山本耕史。彼が演じたのは宇宙から地球新緑にやって来たメフィラス星人である。人間ではない。それなのに、彼が演じた宇宙人は劇中の人間たちはおろか、見ている観客まで魅了しそうな程、輝いて見えた。でも、よくよく考えてみれば、本作での彼の演技はこの数年、彼がTVで演じてきた―例えば、磯村勇斗とのコンビで見せたゲイのカップルの年長者役や、NHK大河ドラマでのずる賢い侍大将(三浦義村)や、地方のホテルマンでありながら実はその一帯を牛耳る陰の実力者役ーなどなど・・・。
つまりメフィラス星人は、それら一連の延長線上で演技者としての集大成に思えるのだ。彼が随所で魅せた、あの指パッチン。ポール牧より良かった。
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