ラーゲリからのメッセージ シベリア抑留の記憶をつなぐ@東京・丸の内Kitte 地下1階

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映画「ラーゲリより愛を込めて」で描かれたシベリア抑留。
「ユネスコ世界記憶遺産」登録資料を所蔵する舞鶴引揚記念館と都内新宿区でシベリア抑留の貴重な実物資料を多数所蔵・展示する
平和祈念展示資料館の合同展示が開かれています。

ラーゲリからのメッセージ シベリア抑留の記憶をつなぐ

会場:Kitte 地下1階 東京シティアイ パフォーマンスゾーン

2023年2月22日(水)~3月5日(日)10:00~20:00 日・祝は18時30分まで

★入場無料

https://www.tokyocity-i.jp/event/8105/

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横浜キネマ倶楽部 第73回上映会『泥の河』のお知らせ(5/5)

横浜キネマ倶楽部より、第73回上映会のお知らせをいただきました。

<<< 第73回上映会のお知らせ >>>

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日時:2023年5月5日(金・祝)
上映1回目:11時10分~12時55分(10時40分開場)
講演:加藤彰彦(野本三吉)さん 13時00分~14時00分
上映2回目:14時10分~15時55分(13時40分開場)

場所:横浜市南公会堂(南区総合庁舎内3階)→ http://www.minami-kokaido.jp/
  〒232-0024 横浜市南区浦舟町2丁目33番地 (電話)045-341-1261

上映作品 『泥の河』
(1981年/日本映画/モノクロ/105分/DVD上映)
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*映画の詳細は、横浜キネマ倶楽部のサイトをご覧ください。

あのとき少年時代は終わった。いま、痛みの源流へ遡りたい。

【解説】
宮本輝の原作に少年少女たちのひと夏の出会いと別れを切々と描く。
自主製作、自主公開という小さな取り組みから始まった「泥の河」は、欧米はもとより、中国やアジア諸国にまでその配給を広げて、公開から四十年経った今でも、名作として語り継がれる小栗康平第一回監督作品。

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【出演】
田村高廣 藤田弓子 加賀まりこ 朝原靖貴 桜井稔 柴田真生子 殿山泰司
蟹江敬三 西山嘉孝 初音礼子 八木昌子 芳賀洋子 麻生亮 芦屋雁之助

【スタッフ】
監督:小栗康平 製作:木村元保 脚本:重森孝子 音楽:毛利蔵人
撮影:安藤庄平 照明:島田忠昭 美術:内藤昭 原作:宮本輝

★入場料:一般:1,300円(前売:1,000円)、障がい者:1,000円(介助者1名無料)

★入場券・チケット販売方法
(1)入場券販売場所
   有隣堂伊勢佐木町本店、高橋書店(元町)、いづみ書房、
   ジャック&ベティ(黄金町)、横浜シネマリン(長者町)、岩間市民プラザ(天王町)
(2)チケットぴあ Pコード:552-731(購入は5月4日まで可能)

★問い合わせ:080-2554-8023(10~18時)おかだ

★主催:横浜キネマ倶楽部→ https://ykc.jimdofree.com/
 後援:横浜市教育委員会
 担当:横浜キネマ倶楽部 岡田明紀(090-9373-7559 / akino@yk.rim.or.jp)



posted by sakiko at 01:02Comment(0)上映会

2022年セレクションとコロナ禍の芸術鑑賞 SIMONE K

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=2022年公開映画・配信から2作品=
ふるあめりかに袖はぬらさじ
(7/9-7/29 歌舞伎オンデマンド)
トップガン マーヴェリック
※過去の東京国際映画祭で観た佳品『大仏+』『グレイン』『83歳のやさしいスパイ』は選外

=第35回東京国際映画祭から8作品=
へその緒
第三次世界大戦
フェアリーテイル
少女は卒業しない
生きる LIVING
イニシェリン島の精霊
モリコーネ 映画が恋した音楽家
クロンダイク
※順不同

=選んだ理由とコロナ禍の芸術鑑賞=
以前は舞台と新作映画を同じぐらいの比率で観ていましたが、コロナ禍で状況が一変しました。
きっかけは最初のパンデミック下の映像配信でした。ベルリン・フィルは膨大なデジタルアーカイブをいち早く開放、パリ・オペラ座は大胆な(オペラ座の怪人はこんなふうに自在な視点で観るのかなと思わせるような)カメラワークのバレエを、アンドリュー・ロイド・ウェバーは自身が作曲したミュージカルを、他にも多くの劇場が旧作や無観客収録の貴重なステージを公開しました。
その感想を仲間と熱心にやりとりする内に、宣伝を目的とした新作の試写より自分の関心に沿う映像を観る時間が増えました。

また劇場再開からほどなくして観た歌舞伎やオペラの客席の、異様な静けさと緊張感、引き締まったステージへの熱い拍手は感動的でした。ウィーン・フィルは楽団員の行動に漫画レベルの制限を設け採算は度外視、オーストリア首相が親書で来日を申し入れて公演が実現しました。
映画祭のフィジカル開催も大変喜ばしいことでしたが、非常時を生きる自分の心に響いたのは圧倒的に前者でした。

コロナ禍で芸術は「不要不急か」と存在価値をずいぶん問われました。
古典を例に取ると分かりやすいのですが、演者は「これでいい」と考察を止めることなく作品や役を追究して再演を重ねます。それは私が日常生活で未知の何か(歴史も新型コロナもその一つ)を学ぶ態度の手本になります。そして演者の成果は上演を観続けなければ分かりません。

2022年は劇場と配信の両方で同じ舞台を観る機会に恵まれました。中でも有吉佐和子原作『ふるあめりかに袖はぬらさじ』(坂東玉三郎主演、歌舞伎座)は私の観劇史上ベスト10に入る作品です。

時代は開国か攘夷で激しく争っていた幕末、横浜の遊郭。呑んべえでお喋りな三味線芸者のお園が世話を焼く若い花魁に悲劇が起こり、お園は客を楽しませるため彼女の最期を騙る羽目になります。やがてその嘘はお園が思ってもみない形で人のエゴや世の闇を露わにします。

悲しい生活を送らざるを得なかった弱い立場の女性たちが話の軸でありながら、芝居は喜劇仕立てで遊郭の人間模様が煌めきます。
お園役を杉村春子から受け継いだ玉三郎が、新派の女優たちを率いて三味線を弾く無類の格好良さ。芝居を知り尽くした作者の見事な構成。上演が急きょ決まり新派との合同公演になったこと、至芸が映像で配信されたこと…あらゆることが奇跡のようです。

芸術の枠を超えて印象深かった映像はエリザベス女王の国葬中継(Sky News、約9時間)です。国葬後の圧巻の葬列行進、柩がウインザー城へ向かう「最後の旅」の色彩・音楽・演出はもちろん、王室と国民との距離の近さ、抑制のきいた報道らしい撮り方に驚きました。
テニスのロジャー・フェデラーの引退試合となったエキシビションマッチ、レーバーカップの深夜中継も忘れがたいです。

私はテニス観戦が好きですが、2022年洋画興行収入1位の『トップガン マーヴェリック』は、テニスの名勝負をライブで観て世界中のテニスファンと興奮を共有するのに似た面白さがありました。
登場する敵は米海軍の骨董機をなぜか温存していたファンタスティックな濃い灰色の集団で「敵」としか呼ばれません(現在もF-14を運用している点はイラン空軍のイメージを重ねているかも)。このように愉快なクリエーションに現実の世界情勢を持ち込んで作品を批判するのは虚しく感じます。

1986年公開の『トップガン』冒頭で、米海軍がトップ1%のパイロットのためにエリート学校を設立した目的は「失われつつある空中戦の技術訓練」だと説明しています。
この時すでに『トップガン』は滅びゆくものへ眼差しを向けていました。劇中歌の「ふられた気持ち」「火の玉ロック」も奏功して、現在の設定なのに昔懐かしい味わいのある不思議な映画でした。
それから36年を経て主人公も主演もコンセプトも変えず続編を世に出すことは、マーヴェリックが成し遂げたミッションと同じように限界を超える挑戦だったと思います。

画像:「日比谷シネマフェスティバル2022〜キネマ旬報の表紙で振り返る〜あの映画の“熱狂”を再び!」展示パネルの一部

2022劇場ベスト13   広島・山本聖美

ドライブ・マイ・カー // 大事にされている車に乗る人間達の物語、会話の映画でもある。話しをしてこそ人間の関係が出来上がる。原作となった村上春樹の短編本は読んでいたが、それにしても凄まじい脚色力!!

ニューヨーク1997 // 映画好き初期の頃に観た 大好きな映画、音楽も好きだった。当時働いていた映画館のバイト君が テープに録ってくれたっけ。スネークのTシャツとパーカを着て 久々にスクリーンで観たが やっぱスネークにはシビれるなー❤︎

怒火(レイジング・ファイア ) // 辛過ぎる訣別と 闘いに、映画館の隣の女性は涙しておられました。それにしてもニコ(謝霆鋒 ニコラス・ツェ)は、ここ迄にきっと凄い努力をしてドニーと渡り合えるまでに アクションを磨いてきたのだ、凄い!!

パワー・オブ・ザ・ドッグ // その場に連れてかれたような、体験したような、若しくは 近くで見ていたような感覚だった。砂埃に頭も眼も眩んだみたいな…2回観に行った。

英雄本色(男たちの挽歌) // 懐かし過ぎる!ここから 当時の私の香港映画祭りが始まったのだ。發仔が 原盤奪いに行く時の音楽(駐車場の)ちょっと音が違ってましたね。

ベイビー・ブローカー // 是枝監督作品に この表現はあまり相応しいと思わないが、裏切られる事のない、安心して観られる映画なんだなぁ。

女神の継承 // 予想通り 期待通り、湿り気があってしつこいくらいに怖かった。

ブレット・トレイン // 新幹線にブラピじゃー観ない法はない。デヴィッド・リーチ監督、『Mr.ノーバディ』と『ブレット・トレイン』の選曲センスが好き。チャニング・テイタムやサンドラ・ブロックの特別出演も嬉し。

○ 阿飛正傳(欲望の翼)○ 重慶森林(恋する惑星)○ 春光乍洩(ブエノスアイレス )○ 花様年華○ 堕落天使(天使の涙) // 王家衛特集、『男たちの挽歌』同様 これも当時を思い出す 香りたつような作品群だった。どれも 観た時の心持ちに戻るのだ。香港映画全盛期の あの頃が懐かしい。が、私の愛した香港はもうない(涙)。

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2022年 後半は 体調を崩して映画を観られなかったが、その前に王家衛(ウォンカーウァイ)映画を まとめて観られたのは幸い&本当に嬉しかった。『阿飛正傳(欲望の翼)』他も 久々に観たのだが、心臓がドキドキ動いて 若返った気分だった。ベスト3は『怒火(レイジング・ファイア)』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『阿飛正傳(欲望の翼)』。今年(2023)、まだ映画を観に行かれずにいるが、近々『イニシェリン島の精霊』か『藤枝梅安』で観始める予定だ。

2022ベストテンみたいなもの せこ三平

今回は仙台弁を一時保留して、なんか標準弁で書いてみよかなと思います。
映画も人生もなんかよくわかりませんが、2022年のベストテンをなんか自分なりに選んでみました。


『カウンセラー』2021年/日本 酒井善三監督
わたしこわい映画がほんとうに苦手で、、、すごく怖くて面白くて、この映画はトラウマになりそうです。やりがい搾取とかパワハラとか映画制作の環境について何かと取り沙汰される昨今、この映画はスタッフ、キャストの労働時間を8時間に制限して制作されたとのこと。自主映画から商業映画という流れは、ほんとうにいろんな葛藤があるんだろうなあ、と思います。若い人たちが良い映画を撮るために頑張ってるのは、思い切り応援したいです。わたしも若いですが。何もできませんが。

『なれのはて』2021年/日本 粂田剛監督
フィリピン女性に惹かれてフィリピンに渡り、彼の地で骨を埋める日本人男性たちを追ったドキュメンタリー映画。日本の常識的思考からは、破滅にしか見えない悲惨な末路ですが、、時折見せたオジサンたちの幸せそうな表情が印象的。まあ、老いて死んでいかなければならないのは、どこでも誰でも同じですね。わたしは若いですが。フィリピンパブ行きませんが。

『やさしくなあに〜奈緒ちゃんと家族の35年〜』2017年/日本 伊勢真一監督
障害を持つ姪と家族に35年寄り添って撮り続けた稀有なドキュメンタリー映画。彼女の笑顔と声に触れるだけで、なんだか明るい心持ちになれるようです。わが家では「やさしくなあにって言わなくちゃ」が流行語に。海外の映画祭ではお酒に逃げる父親に非難が集中したとのことですが、お願い許してあげて!年老いて身の置き所がなくなり、酒に溺れたりキレたりする困ったオヤジ問題も現代日本の抱える大きな課題じゃないでしょうか。わたしは若いですが。キレませんが。

『ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえり母さん〜』2022年/日本 信友直子監督
このお父さんの大ファンです。100歳を超えてお達者!こんなに見事に歳をとる人がいるんですねー。風邪で弱ってた次の日に、朝起きて「気力が回復しました」というシーン、忘れることができません。この人が画面に映るだけで、そりゃどんな俳優も映画も完敗ですわ。さりげなくも、、有り得ないような、、、「有り難い瞬間」がたくさん映ってます。こういう真っ当で地道で飄々とした態度が、老いの絶望に対処する唯一の回答かもしれません。

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(C)2022「こちらあみ子」フィルムパートナーズ

『こちらあみ子』2022年/日本 森井勇佑監督
だいたい子役の演技って嫌いなんですが、この役者の演技はまったく嫌みがなくて、とても良かったです。オーディションで選ばれた新人ということですが、期待値大きい。つらい現実とか、まともじゃないことをやさしく包み込むような、不思議な空気感があって、心地良かったです。でも、大怪我したりすごく痛そうなのは嫌だったです。

『自立への道〜不登校が呼び覚ますもの』2022年/日本 種蒔夫監督
不登校だった子どもたち8人の現在を、母親一人を含めて9人へのインタビューで綴るドキュメンタリー映画。不登校を選んだことで、ほんとうの「生きていく力」を身につけた人たち。後悔している人は一人もなく、むしろ不登校児童は「社会を変えていく力」になるんだと胸を張る母親。学校の機能不全があらわになったこの時代、特に不登校に悩んでる親御さんは絶対に観たほうが良いでしょう。劇場未公開ですが、元教師で現代美術家でもある監督自らが機材を軽バンに積んで全国を回り、上映会と対話を繰り返しています。

『ブリング・ミンヨー・バック!』2022年/日本 森脇由ニ監督
「ピーター・バラカン ミュージックフィルムフェスティバル2022」で上映された一本。日本初公開作品。日本の民謡とラテン音楽をミックスさせた、民謡クルセイダーズを追うドキュメンタリー。生活から生まれた日本人の本物の音楽「民謡」がんばれー!!前半、東北地方の民謡があまり出てこなかったのはちょっと不満でしたが、音楽の本質を思い出させてくれる大切な映画です。日本民謡の復興と世界的大ブレイクを祈念して熱烈応援します。特に何もできませんが。

『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』2020年/カナダ ポール・サルツマン監督
リシケシュの瞑想センターでビートルズに出会った青年時代の監督。素顔のビートルズは、触れ合う人は誰でも思わず笑顔になり、また会いたくなるような、自然体で気持ち良い人たちだったとのこと。さすが好きなことを思い切りやった人たちは違いますね。映画の中で、バンガロー・ビルやディア・プルーデンスなど、ホワイトアルバムの謎の歌詞が解明されてうれしかったです。意外にも、製作総指揮の、あのデビッド・リンチも同じ瞑想を実践していたそうです。映画もさることながら、瞑想にも興味アリアリです。

『みとりし』2018年/日本 白羽弥仁監督
「看取りステーション仙台」主催の上映会に行きました。看取り士は、いま日本でいちばん重要な資格なのではないかと思います。医者を減らして、これを増やしてもらいたいです。例によって子役が演技するのが大嫌いなので、ちょっと引いてしまったんですが、この映画はこれはこれで良かったのかも。主演の榎本孝明さんは出演後、看取り士の資格を取得したそうです。やっぱりすごい人です。

『夜明けまでバス停で』2022年/日本 高橋伴明監督
いくら社会が良くないって言ったって、無差別テロや国会を爆破するようなことはいけません。映画ならまあ良いですけど。昔はハッピーエンドが嘘くさいと思う人が多かったのか、救いのないことを延々と描いて救いのないままに終わるというような映画がけっこうあったように思いますが、最近は深刻な問題を描くのにも、ユーモアや希望が不可欠になったようです。それだけ現実が悲惨なことになっているのか、、、しかし、そうではないことを信じたい。年寄りはいつも「昔は良かった」というのです。わたしは若いです。