2020ベスト15   読者 広島・山本聖美

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○ パラサイト 半地下の家族
去年のベストで「もしかして…」と云っていたが、本当にオスカー獲った、TV前で大興奮!ポン・ジュノのスピーチは素晴らしく、スコセッシの嬉しそうな事!!『パラサイト』は完璧だから文句はないが….しかし、WOWOWの放送では ラストが違っていたのだ、私はそれには反対派。

○ フォードvsフェラーリ
去年の『バーニング』同様、これも 早いうちに 私の2020ベスト1決定していた。超スピード車に乗せられて泣くフォード2世社長も、エンツォ・フェラーリも 良いカオだったなぁ。

○ ミッドサマー
岩壁飛び降り・顔面破壊シーン以外は 結構笑ってしまった…。一番怖かったのは 自死した妹の姿…

○ マリッジ・ストーリー
かつて 愛して一緒になった相手に、酷い言葉を投げつけながら 泣いてしまうアダム・ドライヴァーが とても良い。

○1917 命をかけた伝令
よく出来た映画、出来過ぎな程に。それでも、涙 湧き出る。

○ プロジェクト・グーテンベルグ  贋札王
いやはや 面白い仕掛けの映画だった。『ユージュアル・サスペクツ』かっ⁉︎ と思わず叫ぶ( 脳内で )。出来ればもう1回観たかったなぁ。

○ 9人の翻訳家  囚われたベストセラー
本が関わる映画は大好き、期待を裏切られる事なし と記憶する。ランベール・ウィルソンは『氷壁の女』で好きになった懐かしの男優!

○ 三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
ずっと三島由紀夫が好きだし、彼の切腹した日には( 小学生だった )特別な思い出もあり、大事な友達2人は11/25生まれだ。討論の内容は、私などには難しいのだが、それでも いろいろ面白く興味深いのだ。芥正彦氏が抱っこしていた ( 彼にとって、一種のお守りでもあったのだな多分 ) 全然泣かなかった あっぱれな赤ん坊とか。

○ エクストリーム・ジョブ
ラストシーン『男たちの挽歌』の曲、しかし 画は『挽歌2』と云うオマージュに 映画館友と大いに盛り上がる。監督が『挽歌』好きなのですね。

○ WAVES ウェイブス
ルーカス・ヘッジス ますます良いですね。

○ はちどり
繊細で良い映画だった。パンフには パク・チャヌクの印象的な文章。

○ 狂武蔵
『キングダム』で むちゃくちゃシビれた坂口拓氏。ノーカット77分【開始5分で指の骨が、最終的には肋骨も折れ、歯を食いしばっていたことで奥歯が4本砕けました】
園子温監督の『地獄でなぜ悪い』を8回観に行ったのは、勿論面白いからであるが、スカーフみたいなシャツ着たヤクザ役・男前の山中アラタ氏を見る為でもあった。何と彼が『狂武蔵』に出ており、前半から何度か坂口拓氏に絡みつつ、遂にはラスボス的な役。やった!!

○ 葉問・完結(イップ・マン 完結)
ちょっと遠くの映画館、上映開始は0920…5時起きで観に行きましたとも! ドニーは外せまへん。

○ 鵞鳥湖の夜
全編 何とも表現出来ん面白い画で( 静止していても 動いていても ) 最初っから 最後迄ドキドキしっ放し、『薄氷の殺人』も同じだったなぁ。後半シーンで 逃げるチョウが着ていたのは サッカー アルゼンチン代表のユニフォーム! 地味に嬉しかった。

○ スパイの妻 劇場版
皆さん仰るでしょうけど。この脚本と それを映画にした黒沢監督、主演の2人も併せ『お見事!!』
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2020ベスト3は『フォードvsフェラーリ』『鵞鳥湖の夜』『スパイの妻 劇場版』。
『地獄の黙示録』『AKIRA』『テネット』をIMAXで観られたのは幸わせでありました。
それにしても『AKIRA』には 今更驚き!2019年設定で「来年オリンピック」とは!!

ベストテン順位なしです。 ジャスミン茶

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日本・外国映画混ぜています。
映画祭での鑑賞作品もあり。

『男と女 人生最良の日々』
アヌーク・エーメは今も美しい。こんな風に年を重ねるなんて羨ましい。

『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』
本当に魅力的な人でした。

『一度も撃ってません』
どの人も味わいがあって素敵です。

『あなたの顔』
ほとんど動かないスクリーンの顔。ずっと観ていても飽きません。

『建築と時間と妹島和世』
スカートをはいて現場に行く、独特のスタイルが好きです。

『七人の楽隊』
7人のどのパートも香港らしさがあふれています。

『愛で家族に~同性婚への道』
どのカップルにも幸せになってほしいです。

『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
新聞記事で知った救出劇の舞台裏がわかって興味深かったです。

『天外者』
三浦春馬さん主演。もっともっと彼の作品が観たかったです。

『また、あなたとブッククラブで』
アメリカのセレブは老齢期も華やかでした。

2020年 ベスト映画  米原 弘子

昨年映画館で鑑賞した96本の中から邦画、外国映画10本ずつ選出しました。

【邦画】

① スパイの妻
『スパイの妻』舞台劇を観ているような圧倒的臨場感。あの時代の同じ空間に放り込まれたような錯覚に陥った。高橋一生、蒼井優の相性の良さは『ロマンスドール』で立証済みだが、本作のクラシカルミステリーでも息がぴったり。出番はそれほど多くないが駒子役の恒松祐里が印象的でこれから活躍しそうな若手女優として期待。

② アルプススタンドのはしの方
グランド側は一切見せないのに気づけば見えないヤノくんを、ソノダくんを応援し、いつのまにか私が励まされ泣いていた。これは「しょうがない」に慣れてしまった私たちに向けた応援歌。野球を見ている人たちの会話劇だけでこんなに面白い作品が生まれるという奇跡。

③ おらおらでひとりいぐも
夫に先立たれ一人暮らしとなった75歳の桃子さん。過去を振り返れば泣いたことも後悔することも沢山ある、一大決心して夢に向かって飛び出したことだって。それをすべて飲み込んで寂しさとも楽しく付き合って今を自由に生きる姿に年を重ねるのが楽しみになった。

④ ロマンスドール
夫婦ものというよりは一人の男の心の軌跡を辿ったお仕事映画で面白く観た。空気入れるだけのダッチワイフからよりリアルなラブドールへ。職人達が技術を高めしのぎを削る。大人の玩具作るにもいろいろ規制があるのね。きたろうと高橋一生の師弟関係が良かった。ピエール瀧も適役好演、こんな上司がほしい。

⑤ 朝が来る
役者が出てなければドキュメンタリーだと思ってしまうような演技とカメラワーク。不妊の結果養子を迎えるタワマン住まいの夫婦と、思いもよらない妊娠に心身共に傷つく少女。両者の命を巡る苦悩とその対比がシビアに鮮やかに炙り出される。中盤以降一人で物語を引っ張る蒔田彩珠が素晴らしい。

⑥ 罪の声
昭和の未解決事件をモチーフにどんな大義名分を掲げようと、どんなに同情すべき点があろうと犯罪は決して許されることではないということを一貫して描いている。たとえ声は聞こえずとも事件の裏には人生を狂わされてしまった人が必ずいるということも。傑作。

⑦ のぼる小寺さん
いわゆるスポ根ものとは一線を画す作品で、ただ登りたいから登る小寺さんのピュアなエネルギーが徐々に周りを変えていく様子に気が付いたら私も彼女を好きになって幸せの涙が溢れていた。カサカサな中高年の心にも潤いを与えてくれる一本。ラストカットが最高にキュン。

➇泣く子はいねぇが
お酒で失敗、父親にも大人にもなれず故郷から逃げた男の後悔。ナマハゲは強くて頼もしい父性の象徴か?それが消えゆく行事になっているのがなんとも皮肉。仮面を被らなければ幼い娘とも向き合うことができない弱い男なのに最後はいじらしくなるのは仲野太賀マジック

⑨影裏
ブリーフ姿の綾野剛の下半身を執拗に捉えるカメラ、掴みどころのない男松田龍平の出現と、何か大きな事件が起こるわけではないのに序盤からジワジワと締め付けるような展開に息が詰まる。貴方はその人の何を知っていたのか。謎はそのままに、怪しく魅力的な作品だった。中村倫也にはビックリ!

⑩mellow メロウ
観終わった後人に優しくしようと思った、そして泣いた。今泉監督の目線はいつも温かい。物言わぬ花が伝える愛と言葉にしないと伝わらない人の思い。なんというもどかしさ。言葉が人に寄り添い心を温めるの。ヘタすると嘘臭くなるモテ男は田中圭にピッタリのキャラクター。

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【外国語映画】

① スウィング・キッズ
最高、最高、最高!! どのダンスシーンも素晴らしいのだが、中でも苦しい現実から飛び出し自由に向かって羽ばたくかのようにD.ボウイの「モダン・ラブ」に乗ってギスが捕虜収容所内を、ヤンパンネが村の中を踊り疾走するシーンに胸が熱くなってしまった。

② ストーリー・オブ・マイライフ
冒頭、自分の小説が採用され思わず街を走り抜けるジョー。『フランシス・ハ』でダンサーを夢見るフランシスがNYの街を駆けるシーンを思い出した。老境を迎えた男が人生を映画という芸術で再生したのが『ペイン・アンド・グローリー』ならば、若い女性がずっと抱えてきた抑えがたい感情を一冊の本に昇華させたのが本作。自分の感性を文章、音楽、絵で形にできる芸術的才能ある人が羨ましい。

③ 透明人間
家庭内DVという他者には見えない、わかってもらえない恐怖と卑劣さが透明人間となり主人公を追い詰める。なんといっても孤独な戦いを強いられるエリザベス・モスがメイクしドレスアップすると途端に只者ではない!に変わるのが凄い。ラストカットの勝利の微笑は忘れられない。

④ルース・エドガー
何か事件が起きるわけではないのに全編に漂う不穏な空気に息が詰まる。マイノリティに関する問題だけでなく普遍的な要素が含まれていることを痛感。ありのままの自分で、と言うが易しで国や環境が大きくアイデンティティを左右するのは明白な事実。必見の問題作。

⑤はちどり
家に居場所はない、人間関係も思い通りにいかない、危うく繊細で身勝手な14歳の日常。こんなにリアルに思春期を描いた作品は今までなかったのでは。多くを失い傷ついた後に自分の求めていたものは外ではなくすぐ近くにあったと気づくのだ。最後ヨンジ先生の言葉に思わず涙が。

⑥ペイン・アンド・グローリー
ここ最近の最高なラストシーンで思わず至福の溜息をついてしまった。老境に入りもれなく訪れる心身の痛みもこれまで生きてきた集積。苦しくとも受け入れ、慈しみ、映画という芸術で再生させる鮮やかさ。A.バンデラスの色気と枯れ具合が絶妙。部屋のアートや調度品は必見。

⑦ミッドサマー
音の使い方、映像、カメラワークなど、いちいち私の心の琴線に触れてワー凄いなと感心しているうちに、スーフィーのごとく神と一体化した旋回ダンスを見ているうちにいつのまにかトリップ状態に。怖い、近づいちゃいけない、でも惹かれる。どうしよう、と言いながら3回おかわりしてしまった。

➇ジョジョラビット
ナチ信奉の男の子が愛する人との別れ、戦争の残酷さを経験しながら子供も世界観を見つめ直す。どんなに世界が狂っていても誰かのために靴ひもを結んであげることができれば、心のままにダンスができれば、人生は素晴らしいのだ。ブラックさの中の笑いも秀逸。傑作。

⑨幸せへのまわり道
Hello!Neighbor!とミスターロジャースがこちらに向ける笑顔は、幼い頃見た子供番組のように私だけに語り掛けられているような不思議な力を持っていた。トムハンクスが演じるこその説得力。怒りをコントロールすること、どの感情を選ぶかは自分自身の責任。あの1分間の沈黙はたまらなかった。

⑩マルモイ ことば集め
アイデンティティと深く繋がる母国語の使用を禁止され名前も日本式に変えられてしまう悲劇。日本人はしっかりと向き合う必要があると思った。カッコつけで口ばっかりだけど誰よりも子供思いで情に厚いユ・ヘジン演じる主人公が勉強して街中に溢れる文字を読めるようになった時の喜びに満ちた笑顔が忘れられない。

仙台弁ずんつぁんのベストテン せこ三平

まんず、どーもねー。
仙台弁ずんつぁん、せこ三平だっちゃねー。

2020年は大変だったねやー。
この頃なー、コロナーコロナーって大騒ぎだっちゃねー。
混迷の時代、まさか週末ぐらいまでに人類の終末が、、、来んめいね?

おら、なんか、、、コロナでなくても、あぶないビョーキに罹患すたがもしゃねよー、、、
3点リーダー症候群、、、こりゃ、りかんわ、、、

ほでまず、んだら(年間10本しか観てないかもしれない)仙台弁ずんつぁんのベストテン、
(意味ねーけど)いってみっぺす!

10位 『神山アローン』
9位『はりぼて』
8位『三島由紀夫vs東大全共闘50年目の真実』


10位長岡マイル監督、何故撮るか何を撮るかという逡巡含めて共感。来年の最重要映画になるであろう次回作『それでも、種を採る人』熱烈応援の意味も込めて。9位笑ったっちゃ。監督も言っていたようにテレビ界もはりぼて、だっちゃねー。8位思いがけず和やかな場をつくる三島の度量に感服。ウヨクでもサヨクでもなくナカヨクだっちゃねー。

7位『男はつらいよお帰り寅さん』
6位『ラストレター』
5位『スパイの妻』


7位スクリーンに蘇った寅さんの顔見てたら、あたし、なんだか泣いちゃったの。時代と共にあった映画なのね。特別に好きだったわけじゃないけど、もう失ったと思ってたのに新作なんて、あたしとっても嬉しかったのね。6位仙台出身の岩井俊二監督がおらの母校宮城県立白石高校旧校舎でロケ敢行だっちゃ!当時、童貞小僧が群れていた渡り廊下に佇む福山雅治と広瀬すず!かつてこんなシュールな光景があっただろうか?5位手に汗握るエンターテイメントだけんど、現在に繋がる闇を描いてるんだっちゃねー。

4位『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』
3位『解放区』
2位『滑走路』

4位おら社会現象になったような大ヒット作はなるべく観るようにしてるんだっちゃねー。時代を映す鏡だっちゃねー。「悪」と対峙する深いテーマ、全集中で観だよー。原作者が女性と聞いて、なんとなく納得だっちゃ。3位「これは映画?」って否定的なレビューがあったけんど、最大級の賛辞がもしゃねよ。ほんとにすごい映画だと思っただよー。助成金返金で話題になったけんど、行政が期待してたのと違うって、、、戦前だべか?2位自主制作映画みたいなテイストが好感。歌人萩原慎一郎の遺作をモチーフにしたオリジナル脚本、素晴らしいっちゃねー。

ほんでまず、いぎなりジャジャジャジャーン。
1位『いただきます ここは、発酵の楽園』

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Withコロナ時代の、希望の映像を心に刻みつけっぺす。
天国はこの世にあることを思い出すだよ。
ラスト曲、宮沢賢治作詞作曲の「星めぐりの歌」が、
ずーっとリフレインだっちゃー。

つーわけで、映画ってほんとうにええもんだすなー。
みなさん、またご一緒に楽しみましょう。
さいなら、さいなら、さいなら。

いぎなしなまってるし、ナニゆってんのがほとんどわがんねがったんでねすかー?
最初から最後まで、おだってばりでゴメンしてけさいねー。
人間、寛容が肝要だっちゃねー。

2020映画ベストテン よしだまさし

昨年観た作品から好きな作品を順不同でピックアップしておりますが、観た時期が公開年から遅れている作品もあり、皆様のベストテンからタイミングがずれている作品が紛れ込んでいることをお許しください。(カッコ内の数字は、日本未公開作品は本国での公開年、日本公開作品は日本での公開年)

まずはフィリピン映画から4本。
『Loving in Tandem』(2017年)
 今年公開された『Princess Dayareese』でも主演をつとめているマイマイ・エントラータのデビュー作。決して美人ではないのだけれど、活き活きとした表情がとても魅力的な女優さんです。甥の手術費を稼ぐためにスリの手伝いをしていたヒロインが、その被害者と恋に落ちて…という設定そのものはありきたりながらも、女優の魅力と監督の手腕でしっかり楽しめる作品に仕上がっています。

『Between Maybes』(2019年)
 佐賀フィルムコミッションの全面的なバックアップで日本ロケをおこなった作品。かつて子役として一斉を風靡したものの最近ではその人気に陰りが出てきた女優が、自分を知っている人間のいないところに逃げ出したくなって行き当たりばったりに日本の佐賀県にやってくる。そこで日本で育ったフィリピン人の男性と出会い、彼に救われることで再生していくという物語。
 佐賀県の美しい自然を背景に、異国で出会った男女の感情がとても丁寧に描かれています。
 主演は『Vince & Kath & James』『Love You to the Stars and Back』で一気に若手の人気女優となったジュリア・バレット。ポッテリした唇がチャームポイントです。

『The Missing』(2020年)
 これまた佐賀県で撮影されたホラー映画。古民家修復のためにフィリピンから来日した女性がそこで出会う恐怖体験を描いた作品で、ジャパニーズホラーの影響が感じられる作品に仕上がっています。なんと題材になっているのは人柱の風習。
 監督は『Between Maybes』で助監督として来日していたイージー・フェラー。来日経験がみごとに活かされています。
 佐賀フィルムコミッション、なかなか頑張っています。

『Three Words To Forever』(2018年)
 フィリピントップクラスのヒットメーカーであるキャシー・ガルシア・モリーナ監督が、3世代のカップルを題材に描いた家族のドラマ。年老いた両親の結婚55周年のイベントに駆け付けた娘夫婦、孫娘と彼女のボーイフレンド。実は娘夫婦は離婚の危機に瀕していたのだが、他の家族の前ではそれを隠して幸せそうにふるまうのだった…。
 フィリピン映画の最大の特徴は、必ず家族の問題がクローズアップされるということなのですが、そういう意味でもフィリピン映画の王道を行く作品と言えましょう。
 
さて、お次は香港映画を3本。
『ゴールデン・ジョブ』(2020年)
 久しぶりに往年の香港映画の熱気を感じさせる作品に出会えて大興奮しました。これですよ。これこそが香港映画ですよ。

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『プロジェクト・グーテンベルク 贋札王』(2020年)
 騙されたあ! ラストシーンまで辿り着いて「ええっ、そっから騙されていたの!」と驚愕しました。
 久しぶりにかっこいいチョウ・ユンファに出会えたのも嬉しかった。

『イップ・マン 完結』(2020年)
 ドニー・イェン主演のこのシリーズ、1作目が作られたのが2008年でした。なかなか日本で公開される気配がないので、我慢しきれずに香港からDVDを買ったのが実に懐かしい。それから12年たってついに完結。実に感無量であります。

 次はインド映画。
『プレーム兄貴、王になる』(2020年)
 インド映画と言われた時に、誰もがイメージするであろう歌と踊りに彩られた、懐かしささえ感じるオーソドックスなスタイルのインド映画。最近は新しいタイプのインド映画ばかり観ていたので、たまにこういう作品を観ると、妙に嬉しくなってしまう。
 実は『バジュランギおじさんと、小さな迷子』も2020年になってから観たのだけれど、さすがにいまさら選ぶのも恥ずかしいので、「プレーム兄貴」の方にしておきました。

『ガリーボーイ』(2019年)
 以前、『リスペクト』というラップを題材にしたフィリピン映画を観ていて、そこで描かれていたラップバトルに興奮させられたのだけれど、その興奮が甦る作品でした。こういう作品を観ると、なるほど、インド映画もいつまでも昔のスタイルで歌い踊っているばかりじゃなくなるわけだと、妙に納得させられます。

 そして最後の1本は韓国映画。
『神と共に』(2019年)
 いやあ、なにこのスケールのでかさ。普通、こんな映画の企画、通らないでしょ。それが通ってしまうのがいまの韓国映画の底力なのでしょうね。中川信夫の『地獄』をひたすらスケールアップしたような作品に、とにかく圧倒されました。

 で、番外編としてこの作品。
『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(2020年)
 テレビシリーズあってこそのこの劇場版なので、映画版単独での評価はしづらいのですが、テレビシリーズとのリンクの仕方に泣かされました。ヴェイオレットちゃんに会えるのもこれが最後なのかと思うと、とっても寂しい。

 そして最後に企画賞。
「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」
 いやあ、よくぞ企画してくれました。いまさらジャン=ポール・ベルモンドの映画を劇場のスクリーンで観られるとは思ってもみなかった。
 個人的にはフィリップ・ド・ブロカ監督の『大盗賊』を観られたのが嬉しかった。クラウディア・カルディナーレって、こんなに可憐な女優だったんだ!
 第2弾の開催も決定しているようだけど、ぜひソフト化も進めてほしい。特に『おかしなおかしな大冒険』は山田康雄の吹き替えで観てみたい。