○沈黙 サイレンス / 信仰は、自らの心の中にある。そこに【だけ】あれば良いと私は思う。
○ラ・ラ・ランド / 映画の よろこび を感じさせてくれる映画。
○ムーンライト / シャロンの純情、身体は鎧の様に鍛え上げていても。ゴージャス脱ぎ捨てたナオミ・ハリス、そして、王道のような助演 マハーシャラ・アリに拍手。
○マンチェスター・バイ・ザ・シー / 昔読んだ「心臓を貫かれて」(マイケル・ギルモア著 / 村上春樹訳)にあった文章を(正確ではないけれど)思い出した。『あまりにも深い傷は、癒えることなく、傷として完結するしかない』傷を抱えて生きてゆく人生もある。
○危城( コール・オブ・ヒーローズ ) / 超悪役の古天樂(ルイス・クー)、ここ迄演ると、逆に美男が際立つ。大好きな呉京(ウー・ジン)に、飄々と大きいポンちゃん(エディ・ポン)、味のある劉青雲(ラウ・チンワン)と、メンツもたまらんっす!
○哭声 / お馴染みのクァク・ドウォンも勿論良し。ちょっと胡散臭い悪魔祓い・ファン・ジョンミンと、謎の日本人・國村隼の息詰まる攻防(これがほんの少し笑える)。子役の女の子は『エクソシスト』のリンダ・ブレア並みの大熱演でしたね。
○葉問 継承 / 「木人撞の音が聞きたい」と、泣かせる台詞は妻の鏡。ドニーは最早 神。
○パーソナル・ショッパー / クリステンの個性と、アサヤスの個性が相俟って 凄ぉ〜く面白い映画だった。
○お嬢さん / 原作読んだが、詳細忘れてしまっていた。それで全然OKだった。
○新感染 / 一喜一憂と云うか、一危一恐でクタクタ。このジェットコースターゾンビもので泣かせるとは!ドンソク兄貴、最高です‼︎
○散歩する侵略者 / ブラヴォー 長谷川博己!まさみちゃんは近年良いですね。
○エル / 原作も読んだが(映画を観ると読みたくなる‼︎)、映像の力を感じさせる、イザベル・ユペールの際立つ1本。一緒に観た友と 大いに話が盛り上がり、次の日に また電話で1時間話し込みました。
○パターソン / 「水を大量摂取の変わった料理も『忍耐』とは言わないんだよな愛してるから」などと云う文章を思い浮かべる。そして、そんな「愛してるから」文章を思い描く事さえ もの凄く久しぶりだと気付くのである。
○アウトレイジ 最終章 / 北野武なりの キレイな終わり方ではないでしょうか。
○彼女がその名を知らない鳥たち / まほかるファンなのです私。呉でロケした『孤狼の血』も楽しみにしてます 白石監督。『かのとり』のキャスティング、絶妙でした。
(2017年、劇場で観た67本より 日付け順)
2017年、ベスト3は『危城(コール・オブ・ヒーローズ)』『哭声』『マンチェスター・バイ・ザ・シー』。
特別枠として記しておきたいのは、ヴィスコンティの『家族の肖像』『若者のすべて』『郵便配達は二度ベルを鳴らす』、エドワード・ヤンの『牯嶺街少年殺人事件』、胡金銓(キン・フー)の『侠女』『龍門客桟』、そして ペキンパーの『戦争のはらわた』。宝のような映画たち。
女優賞は イザベル・ユペール、男優賞は マ・ドンソク兄貴!
今年のオスカー、『シェイプ・オブ・ウォーター』に乾杯。大好きな映画評論家・町山(智浩氏)が泣くのを初めて見ました。もらい泣きでした。
最後に、大杉漣さんに合掌。
2017年ベスト5 加藤久徳
邦画 ベスト5
1『あゝ、荒野 前篇』
2『22年目の告白 私が殺人犯です』
3『しゃぼん玉』
4『リングサイド・ストーリー』
5『散歩する侵略者』
次『夜明け告げるルーのうた』(アニメ)
主演男優 菅田将暉『あゝ、荒野 前篇』
主演女優 該当なし
助演男優 大杉漣『アウトレイジ 最終章』
助演女優 木村多江『あゝ、荒野 前・後篇』
新人 志尊淳『探偵はBARにいる3』他
洋画 ベスト5
1『残像』
2『僕とカミンスキーの旅』
3『わたしは、ダニエル・ブレイク』
4『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』
5『サーミの血』
次『ゴッホ ~最期の手紙~』
ドキュメンタリー・記録映画 ベスト5
1『鉱 ARAGANE』
2『三里塚のイカロス』
3『禅と骨』
4『ギミー・デンジャー』
5『デ・パルマ』
次『I AM YOUR FATHER アイ・アム・ユア・ファーザー』
2017年のベスト5は、洋画ベスト1の『残像』を除いて、いつも以上に“面白い映画”に基準を置いたつもり。『あゝ、荒野』は配役が良く、出番の長短に関わらず出演者の芝居で魅せる面白い映画だった。金返せ系3文役者のユースケ・サンタマリアに批評に値する芝居をさせていたのには驚いた。それでも監督賞にしなかったのは、後篇の菅田とイクチュンの壮絶ファイトシーンに失望したためで、かつてあるイランの名匠が日本を舞台にして作った作品の顔面殴打の愚を思い出してしまった。主人公が機械なら、顔に何千発喰らっても構わないが、生身の人間は1発で充分である。岸監督も苦痛の表現に関しては普通の監督でしかなく、よって後篇は選外となった。
僕も俳優を語るときは、TVドラマの仕事を頭に入れるようになった。部門別に入れた人は皆そうである。菅田将暉に至ってはTVのヴァラエティ番組での存在感の方が印象的で、NHK「鶴瓶の家族に乾杯」出演時のリアクションには驚いた。20代の若手俳優の先頭に位置するのは間違いなく彼だ。
志尊淳(しそん じゅん)もやはりNHKドラマでの主演ぶりが光るが、東映『探偵はBARにいる3』で見せたハードなアクション演技が目を引いた。松竹『覆面系ノイズ』の主演も含め、事務所の方針か?仕事ぶりに一貫性がないが、俳優として彼は非凡だと思う。
大杉漣は功労賞である。バイプレイヤーとしては大根で、この人の“味”が嫌いだった。『アウトレイジ 最終章』を見たら『犬走る』を思い出した。彼が演じると、みな同一人物になってしまう。彼の最後の仕事となったテレ東「バイプレーヤーズ」で共演した五人組の中で.、最初期から変わっていないのは大杉だけだ。金太郎飴のような役者だった。素顔のこの人は大変な好人物。それは僕も知っている。
ただただ、合掌・・・。
1『あゝ、荒野 前篇』
2『22年目の告白 私が殺人犯です』
3『しゃぼん玉』
4『リングサイド・ストーリー』
5『散歩する侵略者』
次『夜明け告げるルーのうた』(アニメ)
主演男優 菅田将暉『あゝ、荒野 前篇』
主演女優 該当なし
助演男優 大杉漣『アウトレイジ 最終章』
助演女優 木村多江『あゝ、荒野 前・後篇』
新人 志尊淳『探偵はBARにいる3』他
洋画 ベスト5
1『残像』
2『僕とカミンスキーの旅』
3『わたしは、ダニエル・ブレイク』
4『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』
5『サーミの血』
次『ゴッホ ~最期の手紙~』
ドキュメンタリー・記録映画 ベスト5
1『鉱 ARAGANE』
2『三里塚のイカロス』
3『禅と骨』
4『ギミー・デンジャー』
5『デ・パルマ』
次『I AM YOUR FATHER アイ・アム・ユア・ファーザー』
2017年のベスト5は、洋画ベスト1の『残像』を除いて、いつも以上に“面白い映画”に基準を置いたつもり。『あゝ、荒野』は配役が良く、出番の長短に関わらず出演者の芝居で魅せる面白い映画だった。金返せ系3文役者のユースケ・サンタマリアに批評に値する芝居をさせていたのには驚いた。それでも監督賞にしなかったのは、後篇の菅田とイクチュンの壮絶ファイトシーンに失望したためで、かつてあるイランの名匠が日本を舞台にして作った作品の顔面殴打の愚を思い出してしまった。主人公が機械なら、顔に何千発喰らっても構わないが、生身の人間は1発で充分である。岸監督も苦痛の表現に関しては普通の監督でしかなく、よって後篇は選外となった。
僕も俳優を語るときは、TVドラマの仕事を頭に入れるようになった。部門別に入れた人は皆そうである。菅田将暉に至ってはTVのヴァラエティ番組での存在感の方が印象的で、NHK「鶴瓶の家族に乾杯」出演時のリアクションには驚いた。20代の若手俳優の先頭に位置するのは間違いなく彼だ。
志尊淳(しそん じゅん)もやはりNHKドラマでの主演ぶりが光るが、東映『探偵はBARにいる3』で見せたハードなアクション演技が目を引いた。松竹『覆面系ノイズ』の主演も含め、事務所の方針か?仕事ぶりに一貫性がないが、俳優として彼は非凡だと思う。
大杉漣は功労賞である。バイプレイヤーとしては大根で、この人の“味”が嫌いだった。『アウトレイジ 最終章』を見たら『犬走る』を思い出した。彼が演じると、みな同一人物になってしまう。彼の最後の仕事となったテレ東「バイプレーヤーズ」で共演した五人組の中で.、最初期から変わっていないのは大杉だけだ。金太郎飴のような役者だった。素顔のこの人は大変な好人物。それは僕も知っている。
ただただ、合掌・・・。
2017年度鑑賞まとめ 佐伯和哉
今年は、スクリーンでの鑑賞が133本(重複含めると156回)。概ね週三回は映画館に座っていたことになり、まずまずのペース。気に入った作品を並べていく。
【邦画】
『三度目の殺人』は結末のあいまいさも含めて傑作。答えを出さないことで観客それぞれの解釈を求めているのが良い。
『彼らが本気で編むときは、』では、これから真剣に向き合っていかなければいけないテーマを扱っており、生田斗真の本気が素晴らしい。
『心が叫びたがってるんだ。』は違和感なく実写化をできただけではなく、原作となるアニメよりも説得力が増した稀有な例。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、エピソードが積み重なっていく毎に関連が明らかになって来る心地よさ。
『散歩する侵略者』は“概念”を集める宇宙人というプロットが面白い。集めた後何をしようというのかのヒントくらいは欲しかった。
『メアリと魔女の花』誰かの作品に似ているとかではなくて、子供向けの良質なアニメが必要だという想いが伝わる作品。
『劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ』は、TVシリーズを再構成した際の視点が素晴らしい。この作品は久美子というキャラクターの落ち着かなさ感がキモ。
『きみの声をとどけたい』は映画オリジナルの企画で、エリアFMというガジェットが元放送部員だった自分の琴線に触れた。
【洋画】
『ラ・ラ・ランド(LA LA LAND)』は恥じらわずにミュージカルに向き合い、古典的なテーマでありながらも時代を反映する展開が素晴らしい。
『LION ライオン 25年目のただいま(LION)』実話ベースの映画化で、知らない世界の常識を垣間見せてくれる感動作。タイトルの意味が明かされるタイミングが素晴らしくて泣かされる。
『否定と肯定(DENIAL)』では、歴史へどう向き合えばいいのかを考えさせられる、自虐も無視も良くない。
『ヒトラーに屈しなかった国王(THE KING'S CHOICE)』は、君主とは何だろうと考えさせられる作品。生まれでなるのではなく、行いでなるのだということを改めて認識できる。そして、ナチが差し伸べた“救いの手”に対する態度が、いかなる理由でも侵略は侵略なのだと改めて考えさせられる。
『人生はシネマティック!(THEIR FINEST)』はエンディングエピソードでどっと泣かせてくれる。映画作りは本当にドラマだ。
『ブレードランナー2049(BLADE RUNNER 2049)』小学生のころに夢見た21世紀は来なく、リドリースコットの描く未来像には打ちのめされた。これもSF永遠のテーマを正面から描いた秀作。
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(LO CHIAMAVANO JEEG ROBOT)』超人的な力を手に入れたチンピラと、ヒーローを夢見る精神障害をもつ娘の交流。とにかく熱い!
『お嬢さん(THE HANDMAIDEN)』あまり知ることのできない、日本による占領下の韓国人のたくましい生き方。
『セブン・シスターズ(WHAT HAPPENED TO MONDAY?)』200年後くらいに実現しててもおかしくはない世界であり、ノオミ・ラパスの頑張りに拍手。
『わたしは、ダニエル・ブレイク(I, DANIEL BLAKE)』重たく暗い話だけど、気の利いた脚本と演出でうまく見せてくれる作品。日本の待機児童問題などにも通じる、誰にぶつければいいのかわからない怒り。
『沈黙 サイレンス(SILENCE)』人間を人間たらしめているもののひとつが宗教であり、世界の対立を除去できない理由の一つでもあることを改めて考える。
『人生タクシー(TAXI) 』これぞ映画人の鏡。映画製作を禁じられても、タクシーの運転手を装い車載カメラ映像を編集して社会を風刺する。
【番外編】
『ノー・エスケープ 自由への国境(DESIERTO)』この作品で、自主的に国境を守るオヤジは本当に“愛国者”であり、この感覚は地続きの国境を持たない国の国民には分からないのかもしれないが、わからなくて本当に良かった。
【邦画】
『三度目の殺人』は結末のあいまいさも含めて傑作。答えを出さないことで観客それぞれの解釈を求めているのが良い。
『彼らが本気で編むときは、』では、これから真剣に向き合っていかなければいけないテーマを扱っており、生田斗真の本気が素晴らしい。
『心が叫びたがってるんだ。』は違和感なく実写化をできただけではなく、原作となるアニメよりも説得力が増した稀有な例。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、エピソードが積み重なっていく毎に関連が明らかになって来る心地よさ。
『散歩する侵略者』は“概念”を集める宇宙人というプロットが面白い。集めた後何をしようというのかのヒントくらいは欲しかった。
『メアリと魔女の花』誰かの作品に似ているとかではなくて、子供向けの良質なアニメが必要だという想いが伝わる作品。
『劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ』は、TVシリーズを再構成した際の視点が素晴らしい。この作品は久美子というキャラクターの落ち着かなさ感がキモ。
『きみの声をとどけたい』は映画オリジナルの企画で、エリアFMというガジェットが元放送部員だった自分の琴線に触れた。
【洋画】
『ラ・ラ・ランド(LA LA LAND)』は恥じらわずにミュージカルに向き合い、古典的なテーマでありながらも時代を反映する展開が素晴らしい。
『LION ライオン 25年目のただいま(LION)』実話ベースの映画化で、知らない世界の常識を垣間見せてくれる感動作。タイトルの意味が明かされるタイミングが素晴らしくて泣かされる。
『否定と肯定(DENIAL)』では、歴史へどう向き合えばいいのかを考えさせられる、自虐も無視も良くない。
『ヒトラーに屈しなかった国王(THE KING'S CHOICE)』は、君主とは何だろうと考えさせられる作品。生まれでなるのではなく、行いでなるのだということを改めて認識できる。そして、ナチが差し伸べた“救いの手”に対する態度が、いかなる理由でも侵略は侵略なのだと改めて考えさせられる。
『人生はシネマティック!(THEIR FINEST)』はエンディングエピソードでどっと泣かせてくれる。映画作りは本当にドラマだ。
『ブレードランナー2049(BLADE RUNNER 2049)』小学生のころに夢見た21世紀は来なく、リドリースコットの描く未来像には打ちのめされた。これもSF永遠のテーマを正面から描いた秀作。
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(LO CHIAMAVANO JEEG ROBOT)』超人的な力を手に入れたチンピラと、ヒーローを夢見る精神障害をもつ娘の交流。とにかく熱い!
『お嬢さん(THE HANDMAIDEN)』あまり知ることのできない、日本による占領下の韓国人のたくましい生き方。
『セブン・シスターズ(WHAT HAPPENED TO MONDAY?)』200年後くらいに実現しててもおかしくはない世界であり、ノオミ・ラパスの頑張りに拍手。
『わたしは、ダニエル・ブレイク(I, DANIEL BLAKE)』重たく暗い話だけど、気の利いた脚本と演出でうまく見せてくれる作品。日本の待機児童問題などにも通じる、誰にぶつければいいのかわからない怒り。
『沈黙 サイレンス(SILENCE)』人間を人間たらしめているもののひとつが宗教であり、世界の対立を除去できない理由の一つでもあることを改めて考える。
『人生タクシー(TAXI) 』これぞ映画人の鏡。映画製作を禁じられても、タクシーの運転手を装い車載カメラ映像を編集して社会を風刺する。
【番外編】
『ノー・エスケープ 自由への国境(DESIERTO)』この作品で、自主的に国境を守るオヤジは本当に“愛国者”であり、この感覚は地続きの国境を持たない国の国民には分からないのかもしれないが、わからなくて本当に良かった。
2017年のスクリーンとステージ Simone K
2017年 ベスト映画 米原 弘子
昨年映画館で鑑賞した153本の中から邦画、洋画5本ずつ選出。
【邦画】
『あゝ、荒野 前篇』
ヤン・イクチュンと菅田将暉の組み合わせの妙に尽きる。葛藤を抱えた二人が出会いボクシングが介在することでそれぞれの一途さ、純粋さが炙り出されていく。菅田はどんな場面でも育ちの良さが出るというか下品にならないところがよい。アドリブとわかるシーンも楽しい。
『あゝ、荒野 後篇』
前篇を凌ぐ傑作。映画の観客からボクシングのギャラリーの一人となり、手に汗握り目を覆い叫び、新次に健二に、そしてヤン・イクチュンに菅田将暉に泣く。生きる、誰かと繋がる、そして死ぬ。魂のエネルギーが集約されむき出しの肉体からほとばしる。荒野のような世界が愛おしく見える。
『幼な子われらに生まれ』
血の繋がらない男親と思春期突入の娘との精神的距離が広がっていく様子は見ていてヒリヒリ。ドキュメンタリー風の映像も隣人のいざこざを覗き見しているような気分に。浅野忠信演じる不器用な父親が秀逸。悪い母親ではないのだが鬱陶しくてイラッとくる妻役田中麗奈の上手さに舌を巻く。
『彼らが本気で編むときは』
トランスジェンダーを主人公に、家族や性別を超えた人と人との繋がりや他者に対する思いやりを描き出した良作で途中から涙が止まらなくなってしまった。俳優陣が見事で主演の生田斗真はもちろん母親を慈しむ覚悟の顔が素晴らしかった柿原りんかちゃん、将来が楽しみな子役。
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
詩集が原作という異色の作品。寓話的要素が強くなる後半部分が賛否の分かれるところだが心にそっとしまっておきたい台詞がたくさんあり、私は凄く良かったと思う。何が起こるかわからない明日を生きてみようってね。濡れ場の無い池松壮亮も良い。
【洋画】
『パターソン』
どうでもいい情報が氾濫する中、五感を研ぎ澄まし自分にとって本当に大切なものを取りこぼすことなく日常を丁寧に生きたいと思った。夫婦映画デートの後、アダム・ドライバーの「毎週行こうね」には胸キュン。ダメわんこも可愛いし永瀬正敏の存在感も素晴らしい。疲れた時に見直したい作品。
『ムーンライト』
血の繋がりやセクシャリティに関係なく誰かと心を通わす、苦しい時に肩を抱いてもらう、自分を認めてもらう、そんな永遠のひとときが心にあれば人間は生きていける。アート的な映像と音楽にも感情が揺さぶられ観終わった後しばらくボーッとしてしまった。そして暖かさに満ちた。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
取り返しのつかない過ちを犯した男。冷たい冬の海のように人を寄せ付けることを拒んでいた彼が新たな「役割」を得ることで前に進むキッカケを作る。ハッピーエンドとはいえないが時の流れが静かに心の傷を癒してくれることを願う。染み入る傑作。
『光をくれた人』
「逃げ続けたが罪に追いつかれてしまった」話。責められる人間が誰もいないだけに時代や人との巡り合わせがもたらすそれぞれの苦悩が切なすぎる。ヤヌスの名前の通り人を包み込む暖かさと寄せ付けない冷たさ両面を見せる孤島と海の美しさ、そして何より主となる男女3人の演技は見もの。
『メッセージ』
鑑賞後、どう言っていいかわからないほど感動に浸ってしまった。ぐいぐいと物語に引き込まれ気が付くとその宇宙観、人生観に打ちのめされていた。生きることに失敗も間違いもなく、過去も未来も生も死もすべて受け入れ味わい尽くすだけ。人生は素晴らしい。
【邦画】
『あゝ、荒野 前篇』
ヤン・イクチュンと菅田将暉の組み合わせの妙に尽きる。葛藤を抱えた二人が出会いボクシングが介在することでそれぞれの一途さ、純粋さが炙り出されていく。菅田はどんな場面でも育ちの良さが出るというか下品にならないところがよい。アドリブとわかるシーンも楽しい。
『あゝ、荒野 後篇』
前篇を凌ぐ傑作。映画の観客からボクシングのギャラリーの一人となり、手に汗握り目を覆い叫び、新次に健二に、そしてヤン・イクチュンに菅田将暉に泣く。生きる、誰かと繋がる、そして死ぬ。魂のエネルギーが集約されむき出しの肉体からほとばしる。荒野のような世界が愛おしく見える。
『幼な子われらに生まれ』
血の繋がらない男親と思春期突入の娘との精神的距離が広がっていく様子は見ていてヒリヒリ。ドキュメンタリー風の映像も隣人のいざこざを覗き見しているような気分に。浅野忠信演じる不器用な父親が秀逸。悪い母親ではないのだが鬱陶しくてイラッとくる妻役田中麗奈の上手さに舌を巻く。
『彼らが本気で編むときは』
トランスジェンダーを主人公に、家族や性別を超えた人と人との繋がりや他者に対する思いやりを描き出した良作で途中から涙が止まらなくなってしまった。俳優陣が見事で主演の生田斗真はもちろん母親を慈しむ覚悟の顔が素晴らしかった柿原りんかちゃん、将来が楽しみな子役。
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
詩集が原作という異色の作品。寓話的要素が強くなる後半部分が賛否の分かれるところだが心にそっとしまっておきたい台詞がたくさんあり、私は凄く良かったと思う。何が起こるかわからない明日を生きてみようってね。濡れ場の無い池松壮亮も良い。
【洋画】
『パターソン』
どうでもいい情報が氾濫する中、五感を研ぎ澄まし自分にとって本当に大切なものを取りこぼすことなく日常を丁寧に生きたいと思った。夫婦映画デートの後、アダム・ドライバーの「毎週行こうね」には胸キュン。ダメわんこも可愛いし永瀬正敏の存在感も素晴らしい。疲れた時に見直したい作品。
『ムーンライト』
血の繋がりやセクシャリティに関係なく誰かと心を通わす、苦しい時に肩を抱いてもらう、自分を認めてもらう、そんな永遠のひとときが心にあれば人間は生きていける。アート的な映像と音楽にも感情が揺さぶられ観終わった後しばらくボーッとしてしまった。そして暖かさに満ちた。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
取り返しのつかない過ちを犯した男。冷たい冬の海のように人を寄せ付けることを拒んでいた彼が新たな「役割」を得ることで前に進むキッカケを作る。ハッピーエンドとはいえないが時の流れが静かに心の傷を癒してくれることを願う。染み入る傑作。
『光をくれた人』
「逃げ続けたが罪に追いつかれてしまった」話。責められる人間が誰もいないだけに時代や人との巡り合わせがもたらすそれぞれの苦悩が切なすぎる。ヤヌスの名前の通り人を包み込む暖かさと寄せ付けない冷たさ両面を見せる孤島と海の美しさ、そして何より主となる男女3人の演技は見もの。
『メッセージ』
鑑賞後、どう言っていいかわからないほど感動に浸ってしまった。ぐいぐいと物語に引き込まれ気が付くとその宇宙観、人生観に打ちのめされていた。生きることに失敗も間違いもなく、過去も未来も生も死もすべて受け入れ味わい尽くすだけ。人生は素晴らしい。